歯科衛生士の採用単価|紹介手数料の相場119万円と復職者の採り方

歯科衛生士を人材紹介で採用すると、1名あたり99万〜139万円が目安になります。歯科衛生士の推定年収が396万円で、紹介手数料は理論年収の25〜35%で決まるためです。
1医院あたりの歯科衛生士は平均2.0人。1名の採用に119万円を払うということは、歯科衛生士の人件費およそ4か月分を採用費に充てるということです。
ただし歯科衛生士には、他の資格職と決定的に違う特徴があります。免許登録者314,143人に対し、実際に働いているのは145,183人。約17万人が資格を持ちながら働いていません。採用単価を下げる余地はここにあります。
この記事の要点
歯科衛生士の紹介手数料は、推定年収396万300円をベースに1名99万〜139万円。1名分の手数料は歯科衛生士1人の人件費およそ4か月分にあたり、1医院あたり平均2.0人という規模では負担は小さくありません。
- 約17万人が働いていない免許登録者314,143人に対し就業者145,183人、就業割合46.2%。
- 30代前半でへこみ、40代で戻る出産・育児で離れた層が復職するライフサイクルが数字に出ています。
- 逆転点は年2名複数医院を運営する法人なら、自院募集の効果は大きくなります。
ブランクあり・時短・パートを受け入れられるか。ここが単価を下げる出発点です。
歯科衛生士の採用単価は、手法によって0円から139万円まで分かれる
| 手法 | 1名あたりの費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ハローワーク | 0円 | 掲載費はかからない。地元の復職層に届く |
| 無料媒体(エンゲージ・Airワーク) | 0円 | 採用ページを無料で作れる。単体では露出が不足する |
| Indeed・求人ボックス(有料出稿) | 数万〜数十万円 | ブランクあり・時短の層まで届く |
| 歯科特化の求人サイト | 数十万円〜 | 有資格者に届く。成功報酬型が中心 |
| 人材紹介(年収396万円・料率30%) | 118.8万円 | 決まるまで費用は発生しない |
| (参考)全業種の紹介手数料平均 | 103万円 | 厚生労働省が公表する常用就職1件あたりの実額(令和6年度) |
歯科医院を含む医療機関の職種別の考え方はクリニックの採用コスト|職種別の相場と一人当たりの削減方法をご覧ください。
歯科衛生士の紹介手数料は年収396万円がベースになる
歯科衛生士は、きまって支給する現金給与額が月29万2,500円、年間賞与その他特別給与額が45万300円。年収に換算すると396万300円です(労働者数5万4,510人、平均年齢36.4歳、勤続6.1年)。
| 料率 | 年収396.0万円の場合の手数料 |
|---|---|
| 25% | 99.0万円 |
| 30% | 118.8万円 |
| 35% | 138.6万円 |
従業員10〜99人の事業所に絞ると推定年収は390万円で、料率30%なら117万円。歯科医院の規模を考えると、こちらのほうが実態に近い数字です。
厚生労働省の資料によれば、1歯科診療所あたりの歯科衛生士は平均2.0人、従事者数(総数)は平均5.1人(いずれも常勤換算、令和5年医療施設調査)。5人規模の職場で1名を採るのに119万円という金額は、歯科衛生士1人の月額人件費でいえば約4か月分に相当します。
なお、有料職業紹介の手数料は厚生労働大臣に届け出た手数料表の範囲を超えて請求できません。金額に疑問があるときは提示を求められます。
同じ医療分野の資格職では、看護師にも中途採用者の離職率が高いという課題があります。詳しくは看護師の採用単価|紹介手数料の相場83万円と中途採用の離職率で解説しています。
歯科衛生士は約17万人が資格を持ちながら働いていない

令和4年の歯科衛生士免許登録者数は314,143人。そのうち就業しているのは145,183人で、就業割合は46.2%。半数以上が未就業です。差し引き約17万人が、資格を持ちながら歯科衛生士として働いていません。
これは看護師や介護福祉士と比べても大きな数字です。採用単価を下げるうえで、この17万人にどう届くかが最大の論点になります。
就業歯科衛生士は30代前半でへこみ、40代で戻る

年齢階級別に見ると、25〜29歳の20,318人がピークで、30〜34歳では16,108人に落ち込みます。その後35〜39歳で18,998人、45〜49歳で19,142人まで戻ります。
就業歯科衛生士の99%以上が女性であることを踏まえると、この形は出産・育児で一度離れ、子育てが落ち着いてから戻ってくるライフサイクルを示しています。
採用の観点で言えば、次のことが読み取れます。
- 20代の経験者は、最も競争が激しいピーク層であり、どの医院も狙っています。ここだけを狙うと紹介手数料を払い続けることになります。
- 30代前半は「いま働いていない層」が最も多い復職の条件が合えば戻ってくる可能性がある層です。この層には求人媒体のほうが届きます。
- 50代以降も働き続ける人が多い50〜54歳16,082人、55〜59歳11,523人、60〜64歳6,485人と、上の年齢まで一定数が働いています。年齢で母集団を絞る必要性は下がっています。
他職種との比較は採用単価とは?計算方法と職種別の相場、平均の見方に17職種の相場を一覧化しています。
自院募集で歯科衛生士の採用単価を作る
- クリック単価が高い「歯科衛生士」だけでは競合が多すぎます。診療内容(一般・小児・矯正・インプラント・予防中心)、常勤かパートか、勤務日数、最寄り駅をタイトルに入れます。
- 応募単価が高い(クリックはあるのに応募が少ない)原稿の中身の問題です。1日の担当患者数、ユニット数とスタッフ数、診療時間と残業の実績、土曜の勤務頻度、子どもの急な発熱時の対応、ブランクありの受け入れ可否、復職者向けの研修。この7項目です。
- 面接単価が高い(応募はあるのに面接に至らない)一次返信の速さです。ブランクのある応募者ほど不安を抱えているため、見学だけの受け入れ枠を用意すると面接に進みやすくなります。
- 採用単価が高い(面接はしているが決まらない)提示条件の折り合いです。時短やパートを受け入れられるかで、決まる確率が大きく変わります。
歯科衛生士の採用単価を年間総額で比べると、逆転点は「年2名」

| 年間の採用人数 | 人材紹介(118.8万円×人数) | 自院募集+採用代行(年166万円) | 安いほう |
|---|---|---|---|
| 1名 | 118.8万円 | 166万円 | 人材紹介 |
| 2名 | 237.6万円 | 166万円 | 自院募集+採用代行 |
| 3名 | 356.4万円 | 166万円 | 自院募集+採用代行 |
| 5名 | 594.0万円 | 166万円 | 自院募集+採用代行 |
逆転点は年2名です。1医院あたりの歯科衛生士が平均2.0人という規模を考えると、単院で年2名の採用は多いほうです。複数医院を運営している法人であれば、自院募集に切り替える効果は大きくなります。
単院で年1名の欠員補充なら、紹介のほうが合理的な場合もあります。ただしパートを含めて年間を通じて募集を出し続けるなら、月額定額のほうが総額は下がります。
費用の考え方そのものは採用代行の費用相場|料金体系別の目安と一人あたりの採用単価で整理しています。
歯科衛生士の採用単価を下げる順番
- 1. ブランクあり・時短を受け入れられるか決める(費用0円・最優先)約17万人の未就業者に届くかどうかは、ここで決まります。フルタイム・経験者のみに限定したままだと、競争が最も激しい層だけを狙うことになります。
- 2. 求人原稿に7項目を書き切る(費用0円)担当患者数、ユニット数とスタッフ数、診療時間と残業実績、土曜勤務の頻度、急な休みへの対応、ブランクの受け入れ、復職研修。
- 3. 見学だけの受け入れ枠を作る(費用0円)ブランクのある応募者は「今のスキルで通用するか」を不安に思っています。見学から入れる導線があると応募のハードルが下がります。
- 4. 媒体の配分を見直す(費用の組み替え)復職層・パート層を狙うならIndeedや求人ボックス、常勤の経験者を狙うなら歯科特化サイトやジョブメドレー。クリック単価と応募単価を比較して配分します。
- 5. 掲載費の総額を見直す(最後)1〜4をやらずに掲載費だけ増やしても、20代の経験者を他院と奪い合うだけになります。
応募が来ない求人票の共通点や、復職層に届く求人票の作り方は歯科衛生士の採用が難しい理由|復職者に届く求人票の書き方で詳しく解説しています。
歯科助手を含めた歯科医院の募集は歯科医院の採用代行サービスで扱っています(歯科医師は、媒体で母集団を作れるかを条件により個別に判断します)。
歯科衛生士の採用単価についてよくある質問
歯科衛生士の採用単価の平均はいくらですか?
歯科衛生士だけを切り出した紹介手数料の公的統計はありません。推定年収396.0万円に料率25〜35%を掛けると99万〜139万円になります。参考として、紹介手数料の全業種平均は常用就職1件あたり103万円(厚生労働省・令和6年度)です。
求人広告経由なら掲載費の投じ方で数万円から数十万円、ハローワークや無料媒体は0円です。
パートの歯科衛生士でも紹介手数料はかかりますか?
かかりますが、常勤より低く設定されるのが一般的です。理論年収に連動するためです。医療・介護・保育分野の統計では、非常勤の紹介手数料は常勤のおよそ半分の水準になっています。
自院募集の場合はパートのほうが応募が集まりやすく、1名あたりの掲載費はさらに下がります。
ブランクのある歯科衛生士を採用しても大丈夫ですか?
約17万人が資格を持ちながら未就業という状況を踏まえると、ブランク層を対象に含めないほうがむしろリスクです。
受け入れる場合は、復職前の研修期間、最初の数か月の担当範囲、器具や材料の変化へのキャッチアップをどう支援するかを求人票に書いてください。それ自体が他院との差になります。
歯科衛生士の採用は人材紹介と自院募集どちらを選ぶべきですか?
年2名以上を採用するなら自院募集のほうが総額は下がります。単院で年1名の欠員補充なら紹介も合理的です。
ただし紹介で採れるのは主に「いま転職活動をしている経験者」で、未就業の17万人には届きません。母集団そのものを広げたいなら自院募集が必要になります。
まとめ:歯科衛生士の採用単価は17万人に届くかで決まる
歯科衛生士の紹介手数料は、推定年収396.0万円をベースに99万〜139万円。歯科衛生士1人の人件費4か月分に相当し、1医院あたり平均2.0人という規模では重い負担です。
一方で免許登録者314,143人のうち就業者は145,183人、就業割合46.2%。約17万人が資格を持ちながら働いていません。年齢階級を見ると30代前半で落ち込み40代で戻る形で、復職の余地がはっきり出ています。
ブランクあり・時短・パートを受け入れられるかどうか。ここを決めることが、採用単価を下げる出発点になります。
私たちが運営する採用コミットは、株式会社Abeyが提供する月額定額の採用代行です。求人原稿の制作からIndeed・求人ボックス・ジョブメドレー等の媒体運用、週次レポートまでを担い、応募者への返信・面接・採否の判断は医院側に残します。料金は初期費用10万円・月額10万円〜、成果報酬0円、採用人数の上限なし(税別・最低契約期間3ヶ月・媒体掲載費は別途)。何人採用しても月額は変わりません。
プランごとの詳細は料金プランのページに掲載しています。まずはその条件で媒体から母集団が作れるかだけでもお伝えできます。
応募が止まっている場所を先に特定しておくと、無駄な出稿を避けられます。切り分けの手順は採用が難しい理由と対策|求人を出しても応募が来ない原因の切り分け方にまとめました。
出典
- 厚生労働省「歯科衛生士の現状」(就業歯科衛生士数は「衛生行政報告例」令和4年、免許登録者数は歯科医療振興財団調べ。歯科診療所の従事者数は医療施設調査)(https://www.mhlw.go.jp/content/10804000/001363491.pdf)確認日 2026年9月10日
- 厚生労働省「令和5(2023)年 医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」結果の概要 表25 職種別にみた施設の常勤換算従事者数(歯科診療所の歯科衛生士134,110.3人・総数343,620.9人を歯科診療所66,818施設で除した値)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/iryosd/23/dl/02sisetu05.pdf)確認日 2026年10月4日
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第1表(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html)確認日 2026年9月10日
- 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和8年3月31日公表)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf)確認日 2026年9月10日
- 厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第6 手数料(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172486.html)確認日 2026年9月10日
本記事は株式会社Abey(採用代行サービス「採用コミット」運営)が制作しました。免許登録者数・就業者数・年齢階級別人数・賃金の数値は上記の原典を確認したうえで記載し、調査名と年、確認日を併記しています。推定年収(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)、料率別の手数料額、人件費との対比、年間費用の比較(掲載費を月3万円と仮定)は当社による試算です。歯科衛生士の紹介手数料には職種別の公的統計がないため、年収からの逆算値であることにご留意ください。
