営業職の採用単価|紹介手数料の相場198万円と自社募集で下げる方法

人材紹介で採用したときの手数料は、常用就職1件あたり全業種平均103万円です(厚生労働省・令和6年度)。前年度の93万円から10.9%上がっています。
営業職はこの平均より高くなります。理由は単純で、年収が高いからです。営業職の推定年収は職種によって540万〜674万円。年収の30%を手数料とすると、1名あたり162万〜202万円になります。
一方で私たちが実際に運用した営業職の案件では、採用単価は4万円でした。条件が違うので単純比較はできませんが、その差がどこから生まれるのかは説明できます。この記事では公的統計で相場を押さえたうえで、単価の構造を分解します。
この記事の要点
紹介手数料の全業種平均は1件103万円ですが、営業職は年収540万〜674万円と高く、料率30%なら1名162万〜202万円。一方で当社が運用した案件の採用単価は4万円でした。
- 4万円が成立した条件業務委託・未経験・複数名の同時採用で、掲載費のみを分子にした値です。
- 営業職が単価を下げやすい理由資格要件がなく、媒体で母集団が作れて、複数名を同時に採れる。
- 逆転点は年1名年収660万円クラスなら、1名でも自社募集のほうが安くなります。
ただし自社募集は採れなくても費用が出ます。緊急度で判断は変わります。
営業職の採用単価は、手法によって0円から230万円まで分かれる
| 手法 | 1名あたりの費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ハローワーク | 0円 | 掲載費はかからない。地元中小企業には今も有効 |
| 無料媒体(エンゲージ・Airワーク) | 0円 | 採用ページを無料で作れる。単体では露出が不足する |
| Indeed・求人ボックス(有料出稿) | 数万〜数十万円 | 未経験・他業種にも届く。営業職は母集団を作りやすい |
| 転職サイト(掲載課金) | 数十万円〜 | 採用できなくても掲載費は発生する |
| 人材紹介(全業種平均) | 103万円 | 厚生労働省が公表する常用就職1件あたりの実額(令和6年度) |
| 人材紹介(年収660万円・料率30%の場合) | 198万円 | 営業職は年収が高いため平均より上振れしやすい |
中途採用全体の費用構造は中途採用の費用|一人当たりの相場と職種別の採用単価一覧をご覧ください。
紹介手数料の全業種平均は1件103万円、営業職はこれを上回る
職業紹介事業者は、年度ごとの運営状況を厚生労働省に報告する義務があります。その集計結果(令和6年度)によると、有料職業紹介の常用就職件数は888,993件、常用就職に係る手数料の総額は約9,136億円でした。
ここから算出される常用就職1件あたりの手数料は約103万円。前年度(令和5年度)の約93万円から10.9%上昇しています。
全業種平均は医療・介護・保育のいずれよりも高い
同じ厚生労働省が、医療・介護・保育の3分野については職種別の平均手数料額を別途公表しています。全業種平均と並べると位置関係がわかります。

医療・介護・保育はいずれも全業種平均を下回っています。つまり全業種平均を93万円(令和6年度なら103万円)まで押し上げているのは、これら以外の職種です。営業職やエンジニアなど、年収の高い職種がその中心にあります。
営業職の手数料が高いのは、年収が高いから
紹介手数料は「理論年収 × 料率」で決まるのが一般的です。したがって年収が高い職種ほど手数料も高くなります。営業職の賃金を見てみます。

| 職種 | きまって支給する現金給与額 | 年間賞与 | 推定年収 | 労働者数 |
|---|---|---|---|---|
| 金融営業職業従事者 | 42万5,200円 | 164万1,800円 | 674.4万円 | 15万3,610人 |
| その他の営業職業従事者 | 42万6,100円 | 149万3,800円 | 660.7万円 | 90万7,410人 |
| 機械器具・通信・システム営業職業従事者 | 42万5,600円 | 148万6,800円 | 659.4万円 | 23万6,130人 |
| 自動車営業職業従事者 | 38万2,400円 | 126万8,300円 | 585.7万円 | 10万9,530人 |
| 保険営業職業従事者 | 39万3,800円 | 68万300円 | 540.6万円 | 24万7,610人 |
最も人数が多い「その他の営業職業従事者」(90万7,410人)で推定年収660.7万円。これに料率を掛けると次のようになります。
| 料率 | 年収660.7万円の場合の手数料 |
|---|---|
| 25% | 165.2万円 |
| 30% | 198.2万円 |
| 35% | 231.2万円 |
常勤・介護福祉士ありの介護職員1名の紹介手数料が89万円台(全国老人福祉施設協議会・令和5年度調査)であることを踏まえると、営業職1名は介護職員2名分を超える計算です。年収が高い職種を紹介で採り続けると、採用予算はここで消えます。
同じ営業でも保険の営業職は選考の流れも条件の書き方も異なるため、保険営業の採用代行で個別にご案内しています。
なお、有料職業紹介の手数料は事業者が自由に決められるものではなく、厚生労働大臣に届け出た手数料表の範囲内でしか請求できません。金額に疑問があるときは手数料表の提示を求められます。
大手と条件で競合する場面が多い職種でもあります。企業規模による年収差は中小企業の採用コスト|一人当たりの相場と大企業との賃金差で整理しました。
当社が運用した営業職の採用単価は4万円だった
参考として、当社が実際に運用した営業職の案件の数値です。
- 営業職(未経験・業務委託)2ヶ月で117名の応募、5名採用。採用単価4万円、応募単価1,709円、面接単価1.1万円。
- コーチング職(塾講師系・業務委託)4ヶ月で170件の応募、12名採用。採用単価3.3万円、応募単価2,352円、面接単価1.1万円。

桁が2つ違いますが、これは同じ条件の比較ではありません。この数字が成立した条件を明示します。
- 雇用形態が業務委託正社員の採用ではありません。求人媒体での競合が少なく、応募のハードルも低くなります。
- 未経験を対象にした経験者に限定していれば、母集団は大きく縮みます。
- 複数名を同時に採用した掲載費は人数で割れます。5名採用なら1名あたりは5分の1です。1名だけの採用なら単価は跳ね上がります。
- 掲載費のみを分子にした数値当社の運用費は含めていません。運用費を含めた実質単価は下の試算を参照してください。
採用単価は職種・業種・地域・募集条件・時期により大きく変動し、同等の成果を保証するものではありません。経験者の正社員採用を1名だけ、という条件なら同じ数字にはなりません。
それでも営業職は、求人媒体で母集団が作りやすく、複数名を同時に採用しやすい職種です。この2つが揃うと1名あたりの単価は下がります。看護師や整備士のような有資格職と決定的に違うのはここです。
費用の考え方そのものは採用代行の費用相場|料金体系別の目安と一人あたりの採用単価で整理しています。
自社募集で営業職の採用単価を作る
自社募集の単価は、4つの段階に分解すると改善点が見えます。
- クリック単価が高い媒体の設定か原稿のタイトルの問題です。「営業」だけでは競合が多すぎます。扱う商材、新規か既存か、法人か個人か、インセンティブの有無をタイトルに入れます。
- 応募単価が高い(クリックはあるのに応募が少ない)原稿の中身の問題です。営業求人はどれも同じに見えています。ノルマの有無と中身、新規と既存の比率、給与の内訳(固定給とインセンティブ)、1日の訪問件数、扱う商材、営業以外の業務。この6項目が書かれているかを確認します。
- 面接単価が高い(応募はあるのに面接に至らない)一次返信の速さと日程調整の問題です。営業職の求職者は複数社に同時応募しています。返信が翌日以降になると他社に決まります。
- 採用単価が高い(面接はしているが決まらない)選考基準か提示条件の折り合いです。未経験まで対象を広げられるかどうかで母集団が変わります。
営業求人が「全部同じに見えている」問題の直し方は、営業の採用が難しい理由|応募が来ない求人票の共通点と書き方で詳しく解説しています。
不動産営業のように業界特有の条件がある場合は不動産業の採用代行サービスでも扱っています。
営業職の採用単価を年間総額で比べると、1名でも自社募集が安い
紹介手数料を年収660.7万円・料率30%の198.2万円、自社募集を「採用代行の月額10万円+初期費用10万円+掲載費 月3万円」で1年間続けた場合(合計166万円)で比べます。
| 年間の採用人数 | 人材紹介(198.2万円×人数) | 自社募集+採用代行(年166万円) | 安いほう |
|---|---|---|---|
| 1名 | 198.2万円 | 166万円 | 自社募集+採用代行 |
| 2名 | 396.4万円 | 166万円 | 自社募集+採用代行 |
| 3名 | 594.6万円 | 166万円 | 自社募集+採用代行 |
| 5名 | 991.0万円 | 166万円 | 自社募集+採用代行 |
年収660万円クラスの営業職なら、年1名の採用でも自社募集のほうが安くなる計算です。全業種平均の103万円を基準にした場合でも、逆転点は年2名です。
ただしこれは「1年間で1名は採用できる」ことが前提です。自社募集は採用できなくても月額と掲載費が出ていきます。紹介は決まるまで費用が発生しません。この違いは、採用の緊急度で判断が変わる部分です。
営業職の採用単価を下げる順番
- 1. 応募から面接までの歩留まりを直す(費用0円・即効)営業職の求職者は複数社に同時応募しています。応募当日の返信、日程候補を3つ以上、オンライン面談の選択肢。ここが最も早く効きます。
- 2. 求人原稿に6項目を書き切る(費用0円)ノルマの有無と中身、新規と既存の比率、給与の内訳、1日の訪問件数、扱う商材、営業以外の業務。この6つが書かれていないと、他社の営業求人と区別がつきません。
- 3. 対象を広げる(費用0円)未経験、他業種からの転職、業務委託、副業。営業職は資格要件がない分、対象を広げやすい職種です。
- 4. 媒体の配分を見直す(費用の組み替え)Indeedと求人ボックスでクリック単価と応募単価を比較し、配分を変えます。営業職は競合が多く、原稿が弱いままだとクリック単価だけが上がります。
- 5. 掲載費の総額を見直す(最後)1〜4をやらずに掲載費だけ増やしても費用が消えるだけです。
これを営業マネージャーが本業と並行して回すのは現実には難しいところです。私たちが提供している営業職の採用代行(月額10万円〜)は、原稿制作と媒体運用、週次の改善までを引き受けます。応募者への返信・面接・採否の判断は自社に残ります。
他職種の水準と並べるなら採用単価とは?計算方法と職種別の相場、平均の見方に17職種の相場をまとめています。
営業職の採用単価についてよくある質問
営業職の採用単価の平均はいくらですか?
営業職だけを切り出した公的統計はありません。紹介手数料の全業種平均は常用就職1件あたり103万円(厚生労働省・令和6年度)で、営業職は年収が高い分これより上振れします。
年収660.7万円・料率30%なら198.2万円です。求人広告経由なら掲載費の投じ方で数万円から数十万円、ハローワークや無料媒体は0円です。
未経験の営業を採ると単価は下がりますか?
求人媒体経由であれば下がります。母集団が大きくなり、応募単価が下がるためです。ただし人材紹介の場合は理論年収で手数料が決まるため、未経験でも提示年収が高ければ手数料は下がりません。
「未経験を採ると安くなる」のは自社募集の話であって、紹介では必ずしも成り立ちません。
採用単価4万円は再現できますか?
同じ数字はお約束できません。あの案件は業務委託・未経験・複数名同時採用という条件が揃っていました。経験者の正社員を1名だけ採る場合は、同じ手法でも単価は大きく上がります。
まず「その職種と条件で媒体から母集団が作れるか」だけでもお伝えできます。
営業職の採用は人材紹介と自社募集どちらを選ぶべきですか?
判断軸は年間の採用人数と緊急度です。年収660万円クラスなら年1名でも自社募集のほうが総額は安くなりますが、自社募集は採用できなくても費用が出ていきます。
「今月中に1名必要」なら紹介、「年間を通して複数名を採り続ける」なら自社募集という使い分けが現実的です。両方を併用する会社も多くあります。
まとめ:営業職は「母集団を作れる職種」だから単価を下げられる
紹介手数料の全業種平均は常用就職1件あたり103万円(令和6年度)で、前年度から10.9%上昇しました。営業職は年収540万〜674万円と高く、料率30%なら1名162万〜202万円になります。
当社が運用した営業職の案件では採用単価4万円という結果が出ていますが、これは業務委託・未経験・複数名同時採用という条件が揃った場合の数字です。同等の成果を保証するものではありません。
それでも営業職が単価を下げやすいのは事実です。資格要件がなく、求人媒体で母集団が作れて、複数名を同時に採用できる。この3つが揃う職種は多くありません。
私たちが運営する採用コミットは、株式会社Abeyが提供する月額定額の採用代行です。求人原稿の制作からIndeed・求人ボックス・エンゲージ・Airワーク等の媒体運用、週次レポートまでを担い、応募者への返信・面接・採否の判断は自社に残します。料金は初期費用10万円・月額10万円〜、成果報酬0円、採用人数の上限なし(税別・最低契約期間3ヶ月・媒体掲載費は別途)。何人採用しても月額は変わりません。
営業職向けの支援内容は営業職の採用代行のページに、プランごとの詳細は料金プランのページに掲載しています。
応募が止まっている場所を先に特定しておくと、無駄な出稿を避けられます。切り分けの手順は採用が難しい理由と対策|求人を出しても応募が来ない原因の切り分け方にまとめました。
出典
- 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和8年3月31日公表)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf)確認日 2026年9月9日
- 厚生労働省「令和5年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/R5.pdf)確認日 2026年9月9日
- 厚生労働省「地域ブロック別の職種別平均手数料及び離職率について」(令和5年度実績)(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/36163_00001.html)確認日 2026年9月9日
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)第1表(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html)確認日 2026年9月9日
- 厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第6 手数料(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172486.html)確認日 2026年9月9日
- 公益社団法人 全国老人福祉施設協議会 介護人材対策委員会「令和5年度 人材紹介手数料実態調査報告」(調査数7,880施設・有効回答2,002施設・回答率25.78%/退職状況の対象期間は令和4年4月〜令和5年3月)(調査結果報告書 PDF)確認日 2026年9月9日
本記事は株式会社Abey(採用代行サービス「採用コミット」運営)が制作しました。手数料額・賃金の数値は上記の原典を確認したうえで記載し、調査名と年度、確認日を併記しています。営業職の推定年収(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)、料率別の手数料額、年間費用の比較(掲載費を月3万円と仮定)は当社による試算です。当社実績の採用単価は実際に運用した案件の数値ですが、業務委託・未経験・複数名同時採用という条件下のものであり、掲載費を採用人数で割った値です。職種・地域・募集条件により変動し、同等の成果を保証するものではありません。
