電気工事士の採用単価|紹介手数料の相場188万円と下げる4つの手順

電気工事士を人材紹介で採用すると、1名あたり157万〜220万円が目安になります。電気工事従事者の推定年収が628万円あり、紹介手数料は理論年収の25〜35%で決まるためです。
紹介手数料の全業種平均は常用就職1件あたり103万円(厚生労働省・令和6年度)ですから、電気工事士はその1.5〜2倍ということになります。
ただし電気工事士の採用単価が高い理由は、年収の高さだけではありません。全国の有効求人20,802件に対し、1か月に決まっているのは415件だけという需給の歪みがあります。この記事では、その構造と、自社募集で単価を下げる手順を公的統計で整理します。
この記事の要点
電気工事士を人材紹介で採用すると1名157万〜220万円。推定年収628万1,000円が高く、全業種平均103万円の1.5〜2倍になります。ただし理由は年収だけではありません。
- 求人が50か月分たまっている有効求人20,802件に対し、1か月に決まるのは415件だけ。
- 紹介1,051件に対し就職415件面談まで進んでも6割は成立していません。
- 逆転点は年1名ただし未経験・第二種取得予定者まで広げられるかが前提です。
求人を出すこと自体が差別化になりません。掲載費より先に提示条件を見直します。
電気工事士の採用単価は、手法によって0円から220万円まで分かれる
| 手法 | 1名あたりの費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ハローワーク | 0円 | 掲載費はかからない。地元の有資格者に届く |
| 無料媒体(エンゲージ・Airワーク) | 0円 | 採用ページを無料で作れる。単体では露出が不足する |
| Indeed・求人ボックス(有料出稿) | 数万〜数十万円 | 未経験・第二種取得予定者にも届く |
| 建設・技術系の求人サイト | 数十万円〜 | 有資格者に届くが母集団は限られる |
| 人材紹介(全業種平均) | 103万円 | 厚生労働省が公表する常用就職1件あたりの実額(令和6年度) |
| 人材紹介(年収628万円・料率30%) | 188万円 | 電気工事士は年収が高いため平均を大きく上回る |
同じ建設分野では施工管理の採用単価|紹介手数料の相場204万円と未経験採用という選択がさらに高い水準です。
電気工事士の紹介手数料が高い理由①:年収が628万円ある
紹介手数料は「理論年収 × 料率」で決まるのが一般的です。したがって年収が高い職種ほど手数料も高くなります。建設関連職種の賃金を並べると、電気工事従事者の位置がわかります。

電気工事従事者は、きまって支給する現金給与額が月41万1,500円、年間賞与その他特別給与額が134万3,100円。年収に換算すると628万1,000円です(労働者数21万9,610人)。
建設躯体工事従事者の414.5万円と比べると、200万円以上高い水準です。資格が必要で、電気設備という止められないインフラを扱う職種であることが賃金に反映されています。
| 料率 | 年収628.1万円の場合の手数料 |
|---|---|
| 25% | 157.0万円 |
| 30% | 188.4万円 |
| 35% | 219.8万円 |
なお、有料職業紹介の手数料は事業者が自由に決められるものではなく、厚生労働大臣に届け出た手数料表の範囲内でしか請求できません。金額に疑問があるときは手数料表の提示を求められます。
どの職種をどの層から採るかという方針から決めたい場合は、建設業の採用戦略|人手不足のなかで採用する職種と方法の決め方をご覧ください。
電気工事士の紹介手数料が高い理由②:求人が積み上がって動いていない
もう一つの理由が需給です。厚生労働省の職業別統計を見ると、建設関連職種はどれも全職業平均を大きく上回っています。

電気工事士の転職市場や求人動向を把握するには、業界に特化した転職サイトを確認する方法もあります。電気・設備業界の求人情報を探せる「ELECAREER(エレキャリア)」では、業界に特化した転職情報を確認できます。
ただし倍率だけを見ると本質を外します。同じ統計の実数を見てください。
| 項目 | 電気工事従事者 | 職業計 |
|---|---|---|
| 有効求人数 | 20,802件 | 2,073,013件 |
| 有効求職者数 | 6,261人 | 1,888,788人 |
| 紹介件数(月) | 1,051件 | 352,962件 |
| 就職件数(月) | 415件 | 114,632件 |
| 有効求人倍率 | 3.32倍 | 1.10倍 |
有効求人20,802件に対し、1か月に決まっているのは415件。単純計算で、いま出ている求人がすべて埋まるには50か月かかる計算になります。職業計では18か月ですから、電気工事士の求人は3倍近く滞留していることになります。
さらに紹介件数1,051件に対して就職件数は415件。ハローワークで紹介まで進んでも、6割は成立していません。母集団が足りないだけでなく、条件が折り合わずに落ちている案件が相当数あるということです。
ここが採用単価に直結します。求人を出すこと自体は簡単ですが、出しただけでは列に並ぶだけで動きません。掲載費を増やしても、条件の見せ方が他社と同じなら単価は下がりません。
他職種との比較は採用単価とは?計算方法と職種別の相場、平均の見方に17職種の相場を一覧化しています。
自社募集で電気工事士の採用単価を作る
自社募集の単価は、4つの段階に分解すると改善点が見えます。
- クリック単価が高い「電気工事士」だけでは競合が多すぎます。第一種か第二種か、扱う工事(屋内配線・電気設備・空調・太陽光・通信)、現場のエリア、直行直帰の可否をタイトルに入れます。
- 応募単価が高い(クリックはあるのに応募が少ない)原稿の中身の問題です。日給か月給か、資格手当の金額、残業と休日出勤の実績、社用車の貸与と直行直帰、資格取得支援の有無、現場の範囲(県内のみか出張ありか)。この6つが書かれていないと、他社の求人と区別がつきません。
- 面接単価が高い(応募はあるのに面接に至らない)一次返信の速さです。職人系の求職者は電話での連絡を好む層が一定数います。応募経路と連絡手段が合っているかを確認します。
- 採用単価が高い(面接はしているが決まらない)提示条件の折り合いです。紹介件数1,051件に対し就職415件という数字は、まさにこの段階で落ちていることを示しています。同エリアの求人と日給・手当を並べて比較してください。
電気工事士の採用単価を年間総額で比べると、1名でも自社募集が安い

紹介手数料を年収628.1万円・料率30%の188.4万円、自社募集を「採用代行の月額10万円+初期費用10万円+掲載費 月3万円」で1年間続けた場合(合計166万円)で比べます。
| 年間の採用人数 | 人材紹介(188.4万円×人数) | 自社募集+採用代行(年166万円) | 安いほう |
|---|---|---|---|
| 1名 | 188.4万円 | 166万円 | 自社募集+採用代行 |
| 2名 | 376.8万円 | 166万円 | 自社募集+採用代行 |
| 3名 | 565.2万円 | 166万円 | 自社募集+採用代行 |
年1名でも自社募集のほうが安くなる計算です。ただしこれは「1年間で1名は採用できる」ことが前提で、自社募集は採用できなくても月額と掲載費が出ていきます。紹介は決まるまで費用が発生しません。緊急度によって判断は変わります。
電気工事士は有資格者の母集団が限られる職種です。未経験・第二種取得予定者まで対象を広げられるかどうかで、自社募集の成否が決まります。資格取得支援を用意できる会社ほど有利になります。
費用の考え方そのものは採用代行の費用相場|料金体系別の目安と一人あたりの採用単価で整理しています。
電気工事士の採用単価を下げる順番
- 1. 提示条件を同エリアの求人と並べる(費用0円・最優先)紹介件数の6割が就職に至っていない職種です。日給・資格手当・残業実績を、同じエリアの求人と横に並べて比較してください。ここがずれていると、他の改善はすべて効きません。
- 2. 求人原稿に6項目を書き切る(費用0円)日給か月給か、資格手当の額、残業と休日出勤の実績、社用車と直行直帰、資格取得支援、現場の範囲。
- 3. 対象を広げる(費用0円)未経験、第二種取得予定、他業種からの転職、シニアの再雇用。有資格者だけを待つと母集団が動きません。
- 4. 媒体の配分を見直す(費用の組み替え)Indeedと求人ボックスでクリック単価と応募単価を比較します。建設系の専門媒体は母集団が限られるため、単価が跳ねやすい傾向があります。
- 5. 掲載費の総額を見直す(最後)1〜4をやらずに掲載費だけ増やしても、求人の列が1件伸びるだけです。
建設業の求人に応募が来ない原因を、表示・クリック・応募の3段階で切り分ける手順は建設業の求人に応募が来ない原因|3段階で切り分ける改善方法にまとめています。電気工事士についても同じ考え方が使えます。
電気工事士の募集を任せる場合は電気工事士の採用代行サービスをご覧ください。設備系のほかの職種もまとめて募集する場合も同じ月額で対応しています。
電気工事士の採用単価についてよくある質問
電気工事士の採用単価の平均はいくらですか?
電気工事士だけを切り出した公的統計はありません。紹介手数料の全業種平均は常用就職1件あたり103万円(厚生労働省・令和6年度)で、電気工事従事者は推定年収628.1万円と高いため、料率25〜35%なら157万〜220万円になります。
求人広告経由なら掲載費の投じ方で数万円から数十万円、ハローワークや無料媒体は0円です。
第二種と第一種で採用単価は変わりますか?
人材紹介の場合、手数料は理論年収に連動するため、第一種のほうが高くなるのが一般的です。
自社募集の場合は第二種や取得予定者まで対象を広げるほど母集団が大きくなり、1名あたりの単価は下がります。資格取得支援を用意して第二種から採り、第一種は社内で育てるほうが、長期の採用単価は下がります。
電気工事士の求人を出しているのに応募が来ないのはなぜですか?
電気工事従事者の有効求人は全国で20,802件ある一方、1か月の就職件数は415件です。求人を出すこと自体が差別化にならない職種だと考えてください。
応募が来ないときは、掲載費ではなく提示条件と原稿の中身を先に見直します。
電気工事士の採用は人材紹介と自社募集どちらを選ぶべきですか?
判断軸は年間の採用人数と緊急度です。年収628万円クラスなら年1名でも自社募集のほうが総額は安くなりますが、自社募集は採用できなくても費用が出ていきます。
「今月中に1名必要」なら紹介、「年間を通して採り続ける」なら自社募集という使い分けが現実的です。
まとめ:電気工事士の採用単価は年収と条件の折り合いで決まる
電気工事士の紹介手数料が157万〜220万円になるのは、推定年収628.1万円という水準が理由です。全業種平均の103万円と比べて1.5〜2倍になります。
そのうえで、有効求人20,802件に対し月の就職は415件、紹介件数1,051件に対しても415件。母集団が足りないだけでなく、条件が折り合わずに落ちている案件が相当数あります。掲載費を増やす前に、提示条件を同エリアの求人と並べるところから始めてください。
私たちが運営する採用コミットは、株式会社Abeyが提供する月額定額の採用代行です。求人原稿の制作からIndeed・求人ボックス・エンゲージ・Airワーク等の媒体運用、週次レポートまでを担い、応募者への返信・面接・採否の判断は自社に残ります。料金は初期費用10万円・月額10万円〜、成果報酬0円、採用人数の上限なし(税別・最低契約期間3ヶ月・媒体掲載費は別途)。何人採用しても月額は変わりません。
プランごとの詳細は料金プランのページに掲載しています。まずはその職種と条件で媒体から母集団が作れるかだけでもお伝えできます。
応募が止まっている場所を先に特定しておくと、無駄な出稿を避けられます。切り分けの手順は採用が難しい理由と対策|求人を出しても応募が来ない原因の切り分け方にまとめました。
出典
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」参考統計表6(全国計・常用(パート含む)・8年3月)(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72811.html)確認日 2026年9月10日
- 厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」職種(小分類)別きまって支給する現金給与額、所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(産業計)第1表(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2025/index.html)確認日 2026年9月10日
- 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和8年3月31日公表)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf)確認日 2026年9月10日
- 厚生労働省「職業紹介事業の業務運営要領」第6 手数料(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000172486.html)確認日 2026年9月10日
本記事は株式会社Abey(採用代行サービス「採用コミット」運営)が制作しました。有効求人倍率・求人数・就職件数・賃金の数値は上記の原表を確認したうえで記載し、調査名と時点、確認日を併記しています。推定年収(きまって支給する現金給与額×12+年間賞与その他特別給与額)、料率別の手数料額、求人が埋まるまでの月数、年間費用の比較(掲載費を月3万円と仮定)は当社による試算です。地域・工事種別・募集条件により変動します。
