採用代行のメリット・デメリット|効果が出る職種と出ない職種

採用代行(RPO)の最大のメリットは、採用手法を高い順から安い順に置き換えられることです。正社員1件あたりの平均採用コストは、民間職業紹介事業者で85.1万円、求人情報まとめサイトで6.4万円(厚生労働省)。この差を取りにいくのが採用代行の役割です。
ただし、どの会社にも効くわけではありません。提示している条件が商圏内で下位にある場合や、そもそも求人媒体で母集団が作れない職種では機能しません。
この記事では、メリットとデメリットを公的統計で裏づけながら、効果が出る職種と出にくい職種まで具体的に示します。
この記事の要点
採用代行のメリットは、手法の置き換えによるコスト削減と、社内で見えていない内部コストを外に出せることです。ただし効果は職種と自社の条件に左右されます。
- コスト面の根拠紹介会社85.1万円に対し、求人情報まとめサイトは6.4万円。紹介手数料は3年で94万→103万円に上がっています。
- 効きやすい職種求職者が多く、会えば決まる職種。介護は紹介から就職に至る割合が47.4%と職業計32.5%を上回ります。
- 効きにくい職種母集団が薄い施工管理(有効求人倍率5.65倍・令和8年3月)や、会っても折り合わないエンジニア(成立率7.3%)。
条件が商圏内で下位にあるなら、代行を入れる前に条件の見直しが先です。
採用代行のメリット5つ
メリット①:採用手法を置き換えてコストが下がる

採用手法によって1件あたりの費用は32倍違います。紹介会社85.1万円・スカウトサービス91.4万円に対し、求人情報まとめサイト(Indeed・求人ボックス等)は6.4万円、自社HPからの直接応募は2.8万円です。
採用代行の中心的な役割は、この安い手法で母集団を作れる状態を用意することです。原稿を作り、媒体に出し、数字を見て直し続ける。この一連の作業ができれば、紹介に払っていた費用が掲載費に置き換わります。
メリット②:見えていない内部コストが外に出る
採用コストは外部コストと内部コストに分かれます。内部コストは求人原稿の作成、応募者への返信と日程調整、媒体の効果測定にかけた時間です。
人事担当がいない会社では、社長や現場の管理職がこれを本業の合間に行っています。費用として計上されないため、「タダでやっている」ように見えて、実際は最も高い時間を使っていることがあります。
応募1件あたり30分の対応を月50件行えば25時間。時給3,000円換算で7万5,000円です。採用代行はこの部分を引き受けます。
メリット③:紹介手数料の上昇から離れられる
| 年度 | 常用就職1件あたりの手数料 |
|---|---|
| 令和4年度 | 約94万円 |
| 令和5年度 | 約93万円 |
| 令和6年度 | 約103万円(前年度比10.9%増) |
令和6年度は求人数が前年度比38.0%増えた一方、就職件数は4.8%増にとどまりました。1件を成立させる工数が増え、手数料に反映されています。
紹介に依存する限り、この上昇を受け続けます。自社で母集団を作れる状態にしておけば、単価の決定権を自社側に戻せます。
メリット④:数字を見て直し続けられる
求人媒体の運用は、出して終わりではありません。クリック単価、応募単価、面接単価、採用単価の4段階で、どこが詰まっているかを見て原稿や配分を変え続ける作業です。
これを本業の合間に週次で回すのは現実的に難しく、止まった瞬間に掲載費だけが出ていく状態になります。継続的に手を入れられることが、代行の実質的な価値です。
メリット⑤:月額固定型なら採用人数で費用が増えない
人材紹介は決まるたびに定額がかかります。月額固定型の採用代行は、何人採用しても月額が変わりません。採用単価の分母に制限がかからないという違いです。
年間の総額で比べると、逆転点は職種によって変わります。職種別の目安は採用単価とは?計算方法と職種別の相場、平均の見方に一覧でまとめました。
採用代行のデメリット4つ
- デメリット①:採用できなくても費用が出る人材紹介は決まるまで無料ですが、月額固定型の採用代行は成果にかかわらず月額と掲載費が発生します。「今月中に1名」という緊急の補充には向きません。
- デメリット②:条件が商圏内で下位なら効かない給与や休日が同エリアの同業他社より明確に低い場合、原稿をどれだけ磨いても応募は増えません。代行を入れる前に、条件の見直しが先になります。
- デメリット③:母集団が薄い職種では機能しにくい求人媒体に出しても求職者そのものが少ない職種があります。ここは紹介を残すほうが合理的です(次章で具体的に示します)。
- デメリット④:丸投げはできない自社の強み、任せたい業務、譲れない条件を伝える時間は必要です。応募者への返信や面接を自社に残す形の場合、その体制も要ります。月1回程度の打ち合わせは発生します。
とくに②は重要です。条件が下位にある状態で代行を入れると、費用だけが増えて応募は増えません。私たちも、いまの求人を見せていただいて条件面に問題があると判断した場合は、その旨を先にお伝えしています。
効果が出やすい職種と、出にくい職種
採用代行が効くかどうかは、2つの指標で見当がつきます。有効求人倍率(求職者がどれだけいるか)と、紹介から就職に至る割合(会ったあと決まるか)です。

| 職種 | 有効求人倍率 | 成立率 | 採用代行との相性 |
|---|---|---|---|
| 一般事務 | 0.37倍 | 26.6% | 非常に高い(求職者が多い) |
| 介護 | 3.63倍 | 47.4% | 高い(会えば決まる) |
| 看護 | 2.12倍 | 56.0% | 高い(会えば決まる) |
| 自動車運転 | 2.51倍 | 41.8% | 高い |
| 電気工事 | 3.32倍 | 39.5% | 条件次第 |
| 建築・土木・測量(施工管理) | 5.65倍 | 30.1% | 低い(母集団が薄い) |
| 情報処理・通信(エンジニア) | 1.39倍 | 7.3% | 層による(上流は困難) |
- 効果が出やすい:求職者が多く、会えば決まる職種一般事務は求人1件に対し求職者が約2.7人。介護は成立率47.4%で職業計を上回ります。媒体で母集団を作れば、そのまま採用につながります。
- 条件次第:資格職だが対象を広げられる職種電気工事・保育など。未経験・時短・パート・復職層まで広げられるなら十分に機能します。経験者の常勤だけに絞ると難しくなります(看護・介護・ドライバーも、経験者の常勤に限ると同様です)。
- 効果が出にくい:母集団そのものが薄い職種施工管理は有効求人倍率5.65倍、求人1件に求職者0.18人。媒体に出しても順番待ちになります。
- 層による:会っても折り合わない職種エンジニアは倍率1.39倍と低く求職者は3.6万人いますが、成立率は7.3%。上流の設計・コンサル層は賃金で折り合わず、実装層なら機能します。
この判断は、代行会社に相談する前に自社で持っておいたほうがいい視点です。「うちの職種は媒体で母集団が作れるのか」を聞いて、正直に答えない会社は避けてください。
人材紹介との違い
| 項目 | 採用代行(RPO) | 人材紹介 |
|---|---|---|
| やること | 求人を作って掲載し、応募が集まる状態を作る | 候補者を探して紹介する |
| 費用の発生 | 月額(成果にかかわらず発生) | 成功報酬(決まるまで無料) |
| 1名あたり | 採用人数が増えるほど下がる | 人数分かかる(全業種平均103万円) |
| 誰を採るかの決定 | 自社 | 自社(候補者は紹介会社が選定) |
| 向く場面 | 年間を通して複数名を採り続ける | 今月中に1名必要 |
どちらが優れているという話ではなく、使う場面が違います。両方を併用し、媒体で母集団が作れる職種は代行、母集団が薄い職種は紹介、という分け方が現実的です。
導入前に決めておくこと
- 1. 採りたい職種と人数を1つに絞る「人手不足を解消する」ではなく「〇〇職を年2名」まで具体化します。ここが決まらないと原稿が書けません。
- 2. 提示条件を同エリアの求人と並べる近隣の同業他社の求人を10件並べ、自社がどの位置かを確認します。下位にあるなら条件の見直しが先です。
- 3. 応募対応を誰がやるか決める返信・日程調整・面接を社内で回せるか。ここが空白のままだと、応募が増えても面接に進みません。
- 4. 掲載費の予算枠を決める採用代行の月額とは別に、媒体への出稿費が必要です。月3万〜5万円から始めるのが一般的です。
- 5. 期間を決める求人原稿の改善は、数字を見て直すサイクルが数回必要です。1か月で判断せず、最低3か月は見てください。
採用代行サービスによって、委託できる業務の範囲は異なります。求人媒体の運用や応募者の母集団形成だけでなく、スカウト配信、応募者への連絡、面接日程の調整、採用資料の制作までまとめて任せたい場合は、対応範囲を比較して選ぶことが重要です。
例えば、株式会社NOVELの「採用ぜんぶ」は、採用戦略の設計からスカウト配信、応募者対応、面接調整などの実務、求人原稿や採用ピッチ資料の制作までを一括で代行するサービスです。採用業務をまとめて外部に委託したい場合は、採用代行・RPO「採用ぜんぶ」(株式会社NOVEL)に依頼するのもよいでしょう。
自社が採用代行に向いているかどうかの判断は、採用代行の向き不向き|依頼する前に確認する3つの条件の3つの問いで確認できます。
採用代行のメリット・デメリットについてよくある質問
採用代行の最大のメリットは何ですか?
採用手法を高い順から安い順に置き換えられることです。正社員1件あたりの平均採用コストは民間職業紹介事業者85.1万円、求人情報まとめサイト6.4万円(厚生労働省・令和3年度調査)で、約13倍の開きがあります。
あわせて、社内で費用計上されていない内部コスト(原稿作成・応募対応の時間)が外に出る点も大きな効果です。人事担当がいない会社ほど差が出ます。
採用代行のデメリットは何ですか?
採用できなくても月額と掲載費が発生すること、条件が商圏内で下位なら効果が出ないこと、母集団が薄い職種では機能しにくいこと、丸投げはできないことの4つです。
とくに給与や休日が同エリアで明確に低い場合は、代行を入れる前に条件の見直しが先です。原稿の改善だけでは埋まりません。
どんな職種だと効果が出やすいですか?
求職者が多く、会えば決まる職種です。一般事務は有効求人倍率0.37倍(令和8年3月)で求人1件に求職者が約2.7人。介護は紹介から就職に至る割合が47.4%と職業計32.5%を上回ります。
逆に施工管理(有効求人倍率5.65倍・令和8年3月)のように母集団が薄い職種や、エンジニアの上流層のように会っても賃金で折り合わない職種では、効果が出にくくなります。
人材紹介と併用できますか?
できますし、そのほうが現実的です。媒体で母集団が作れる職種は採用代行、母集団が薄い有資格職や上流層は人材紹介、という使い分けになります。
すべてを紹介に任せると年1〜2名で採用予算を使い切り、すべてを媒体に寄せると採れない職種が出ます。職種ごとに仕分けるのが、最も無理のない形です。
効果が出るまでどれくらいかかりますか?
求人原稿の改善は、出して数字を見て直すサイクルを数回まわす必要があります。1か月では判断できません。
最低3か月は見てください。逆に3か月たっても応募数がまったく動かない場合は、原稿ではなく条件側に原因があると考えるべきです。
まとめ:効く会社と効かない会社がはっきり分かれる
採用代行のメリットは、手法の置き換えによるコスト削減(85.1万円→6.4万円)、見えていない内部コストの外出し、上がり続ける紹介手数料から離れられること、数字を見て直し続けられること、月額固定なら人数で費用が増えないことの5つです。
デメリットは、採用できなくても費用が出ること、条件が下位なら効かないこと、母集団が薄い職種では機能しにくいこと、丸投げはできないことの4つ。とくに条件面は、代行では埋められません。
効果が出やすいのは、求職者が多く会えば決まる職種。出にくいのは母集団が薄い職種と、会っても折り合わない層です。
私たちが運営する採用コミットは、株式会社Abeyが提供する月額定額の採用代行です。求人原稿の制作からIndeed・求人ボックス・エンゲージ・Airワーク・ジョブメドレー等の媒体運用、週次レポートまでを担い、応募者への返信・面接・採否の判断は自社に残ります。料金は初期費用10万円・月額10万円〜、成果報酬0円、採用人数の上限なし(税別・最低契約期間3ヶ月・媒体掲載費は別途)。
プランごとの詳細は料金プランのページに掲載しています。いまの求人を見せていただければ、その職種と条件で媒体から母集団が作れるかをお伝えします。難しい場合はその理由もお伝えし、条件の見直しが先だと判断したときはそう申し上げます。
費用の内訳から検討したい場合は採用代行の費用相場|料金体系別の目安と一人あたりの採用単価をご覧ください。
出典
- 厚生労働省「令和3年度厚生労働省委託調査 採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査 報告書」(令和4年3月)(https://www.mhlw.go.jp/content/11650000/000956216.pdf)確認日 2026年9月12日
- 厚生労働省「令和6年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(令和8年3月31日公表)(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001683019.pdf)確認日 2026年9月12日
- 厚生労働省「令和5年度職業紹介事業報告書の集計結果(速報)」(https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/R5.pdf)確認日 2026年9月12日
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」参考統計表6(全国計・常用(パート含む)・8年3月)(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72811.html)確認日 2026年9月12日
本記事は株式会社Abey(採用代行サービス「採用コミット」運営)が制作しました。採用コスト・手数料・有効求人倍率・就職件数の数値は上記の原典を確認したうえで記載し、調査名と年度、確認日を併記しています。成立率(就職件数÷紹介件数)は公表値から当社が算出しました。手法別の平均採用コストは令和3年度の調査結果です。採用代行の効果は職種・地域・募集条件・自社の提示条件により変動し、成果を保証するものではありません。
