採用代行(RPO)とは?業務内容と費用相場、人材紹介との違い

採用代行(RPO)とは、企業の採用業務の一部または全部を、外部の専門会社が代行するサービスです。求人原稿の制作や求人媒体の運用、応募者への連絡、面接日程の調整などを任せられます。

人材紹介と違い、「人を紹介してもらう」のではなく「採用の実務を代わりにやってもらう」点が最大の違いです。

この記事では、依頼できる業務の範囲、料金体系ごとの費用相場、人材紹介との違い、そして自社に合う会社の選び方までを整理します。

この記事の要点

採用代行(RPO)とは、求人原稿づくりや求人媒体の運用といった採用の実務を、外部の会社に代わりにやってもらうサービスです。人を紹介してもらう人材紹介とは違い、誰を採用するかを決めるのは自社のままです。

  • 会社は3タイプ「総合型」「業務特化型」「媒体運用特化型」に分かれます。
  • 費用は月額固定型で月10万〜80万円その差は「応募者への対応まで任せるかどうか」で決まります。

自社がどこまで手放したいのかを先に決めれば、選ぶべき会社は自然と絞れます。

弓川堅士

弓川堅士

株式会社Abey
代表取締役

この記事の監修者

長崎大学卒業後、上場企業グループ会社の事業部長として組織づくり・採用業務を担い、株式会社Abeyを創業。
月10万円からの採用業務代行サービス「採用コミット」を立ち上げ、主に中小企業の中途採用(正社員・業務委託採用)を母集団形成から支援。現場で日々採用に向き合っている実務者の視点から、本記事の内容を監修しています。

目次

採用代行(RPO)とは

RPOは「Recruitment Process Outsourcing(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)」の略です。日本語では採用代行、採用アウトソーシングと呼ばれます。

人事部門の採用担当者が行っている業務を、外部の会社が代わりに引き受ける仕組みです。

ポイントは、「採用そのもの」ではなく「採用の業務」を外に出すサービスだということです。誰を採用するかを決めるのは依頼した企業側で、代行会社はそこに至るまでの実務を担います。

採用代行と採用コンサルティングの違い

混同されやすいのが採用コンサルティングです。コンサルティングは「どう採用すべきか」を設計・助言するのが中心で、実務は自社に残ります。

採用代行は助言だけでなく手も動かす点が違います。「戦略はあるが手が足りない」なら採用代行、「そもそも何をすべきか分からない」なら両方を兼ねる会社を選ぶ、という切り分けになります。

採用コンサルティングの具体的なサービスや選び方については、星の転職の「中途採用のコンサルティングサービス5選。採用代行(RPO)との違いや選び方のポイントも紹介」もご参照ください。

採用代行が広がっている背景

厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」(令和8年4月28日公表)によると、令和7年度平均の有効求人倍率は1.20倍でした。前年度の1.25倍から0.05ポイント低下しています。

数字の上では求人が緩んで見えます。しかし内訳を見ると、有効求人が前年度比4.1%減、有効求職者が同0.7%減で、求人側の減少幅のほうが大きい状態です。求職者が大きく増えたわけではありません。

有効求人倍率(年度平均)の推移を示すグラフ。令和5年度1.29倍、令和6年度1.25倍、令和7年度1.20倍
有効求人倍率(年度平均)の推移。出典:厚生労働省「一般職業紹介状況」(令和8年4月28日公表)をもとに作成

加えて、求人媒体はIndeedや求人ボックスのような検索型が主流になりました。スカウト送信やSNSなど手法も増えています。

「求人を出せば応募が来る」時代ではなくなり、掲載後に数字を見て改善し続ける運用が必要になったこと。これが採用代行の需要が伸びている実質的な理由です。

とくに専任の採用担当者を置けない中小企業ほど、この運用が回りません。

有資格者の採用では、資格を持つ人の半数以上が働いていないという職種もあります。歯科衛生士がその典型で、狙うべき対象そのものが変わります。詳しくは歯科衛生士の採用が難しい理由|復職者に届く求人票の書き方をご覧ください。

採用代行でできること・他サービスとの違い

採用代行という言葉は幅広く使われています。まず任せられる業務と、人材紹介などとの違いを整理します。

採用代行に依頼できる業務

採用代行の業務範囲は会社によって大きく異なります。おおまかには、採用のプロセスを次の4段階に分けて考えると整理しやすくなります。

段階主な業務代行会社の対応状況
① 設計採用要件の整理、募集条件の設計、媒体の選定多くの会社が対応
② 母集団形成求人原稿の制作、媒体への掲載・出稿管理、掲載後の改善、スカウト送信多くの会社が対応
③ 応募者対応応募者への一次返信、面接日程の調整、選考の進捗管理対応する会社としない会社に分かれる
④ 選考・内定後書類選考、面接の実施、内定者フォロー一部の大手が対応。面接は自社が原則

会社を比較するときに最も差が出るのが③応募者対応をどこまで含むかです。ここを含むほど月額は上がり、含まないほど安くなります。

「安いと思って契約したら母集団形成だけだった」「高い代わりに面接以外は全部やってくれた」という違いは、ほぼこの線引きから生まれます。

見積もりを取るときは金額より先に、この4段階のどこまでが範囲かを必ず確認してください。

採用業務の4段階(設計・母集団形成・応募者対応・選考内定後)と、採用代行会社が対応する範囲を示した図
採用業務の4段階と、代行会社が対応する範囲。金額差が生まれるのは主に③をどこまで含むかによる

「求人原稿の制作」で実際に行われること

業務一覧では1行で書かれる「求人原稿の制作」ですが、応募数を左右するのはこの中身です。実際には次のような作業が入ります。

  • 検索キーワードの設計Indeedや求人ボックスは検索エンジンです。求職者が実際に打ち込む語(職種名・エリア名・「未経験可」「土日休み」など)が原稿に入っていないと表示されません。社内での呼称をそのまま職種名にすると、検索に引っかからないことがあります。
  • 待遇の書き方の調整給与をレンジで書くか下限を上げるか、賞与や手当をどこまで具体的に書くか。この違いで、閲覧数から応募への転換率が変わります。
  • 仕事内容の粒度抽象的な業務説明では応募が来ません。1日の流れ、担当する範囲、配属先の人数構成まで書くと具体性が出ます。
  • 応募のハードル調整応募フォームの項目が多いほど離脱します。まず面談から始める設計にするかどうかも含めて検討します。

代行会社を比較するときは、この粒度で話ができるかどうかを見てください。ヒアリングが待遇と職種名だけで終わる会社は、原稿も一般的な内容になりがちです。

原稿の制作だけを切り出して依頼することもできます。範囲と進め方は求人原稿の作成代行にまとめています。

人材紹介・人材派遣・求人広告代理店との違い

採用代行と混同されやすい3つのサービスとの違いを整理します。

何を提供するか費用の発生タイミング雇用関係
採用代行(RPO)採用業務の代行月額など、業務に対して発生採用者は自社が雇用
人材紹介候補者の紹介採用が決まったときに発生採用者は自社が雇用
人材派遣労働力の提供働いた時間に対して発生派遣会社が雇用
求人広告代理店媒体への出稿・掲載管理掲載時に発生採用者は自社が雇用

費用構造で見ると、採用代行は「業務量に対して払う」、人材紹介は「採用人数に対して払う」という違いが決定的です。

人材紹介は採用が決まるまで費用が発生しない安心感があります。一方で、採用人数が増えるほど費用が積み上がります。

採用代行は先に固定費が発生します。ただし何人採用しても金額が変わらない契約であれば、採用が進むほど1名あたりの単価は下がっていきます。

採用人数が増えたときの累計費用の違いを示したグラフ。人材紹介は人数に比例して増加し、月額定額の採用代行は横ばい
採用人数が増えたときの累計費用の違い(人材紹介1名50万円/採用代行 初期10万円+月15万円×3ヶ月で試算)

なお人材紹介の手数料は、職業安定法上「上限制手数料」と「届出制手数料」の2方式に分かれます。厚生労働省の職業紹介事業の業務運営要領で定められています。

上限制手数料は、支払われた賃金額の100分の10.8(免税事業者は100分の10.3)が限度と明記されています。

一方、実務で主流の届出制手数料は、厚生労働大臣に届け出た手数料表の額を徴収する仕組みです。法律上の一律の上限率は定められていません(著しく不当と認められる場合に変更命令が出される仕組みです)。

そのため実際の料率は各社が設定しており、初年度の想定年収に対して20〜35%程度が多くなっています。年収400万円の職種なら、1名あたり80〜140万円程度が目安です。

採用代行会社は3タイプに分かれる

「採用代行」と名乗っていても、担う範囲によって会社は大きく3タイプに分かれます。ここを知らずに比較すると、金額の違いだけを見て判断してしまいます。

採用代行会社の3タイプ。総合型は月30万〜80万円、業務特化型は月5万〜30万円、媒体運用特化型は月10万〜20万円
採用代行会社は、担う範囲で3タイプに分かれる
  • 総合型採用計画の立案から内定者フォローまでを一括で引き受けるタイプです。採用担当者が社内に不在で、実務をまるごと外に出したい会社に向きます。その分、月額は30万〜80万円と高くなります。
  • 業務特化型スカウト送信だけ、面接代行だけ、というように業務を限定して請け負うタイプです。社内に採用担当がいて、手が回らない一部だけを外に出したい場合に適しています。従量課金の会社が多く、月5万〜30万円程度。
  • 媒体運用特化型求人原稿の制作と、求人媒体の掲載・運用改善に絞ったタイプです。応募者への対応は依頼企業が行います。月10万〜20万円の価格帯で、応募が来ないという課題に直接効くのがこのタイプです。

自社がどのタイプを必要としているかは、次の質問で切り分けられます。

  1. 応募は来ているか来ていないなら媒体運用特化型。来ているのに対応が追いつかないなら業務特化型か総合型です。
  2. 応募者への一次返信を社内で回せるか回せるなら媒体運用特化型で足ります。回せないなら応募者対応を含むタイプが必要です。
  3. 採用の判断基準を社内で持っているか持っているなら選考は自社に残せます。持っていない場合は、要件整理から入る総合型が向きます。

採用代行の費用相場と料金体系

採用代行の料金体系は、大きく3つに分かれます。

料金体系費用の目安向いているケース注意点
月額固定型月額10万〜80万円程度継続的に募集する/複数職種を並行して採用する採用しない月も費用が発生する
成果報酬型1名あたり50万〜120万円程度採用人数が少ない/初期費用を抑えたい人数が増えるほど総額が膨らむ
従量課金型業務ごとに数万円〜スカウト送信だけなど、業務を限定して頼みたい依頼が増えると読みにくい

幅が大きいのは、前述した業務範囲の違いがそのまま金額に出るためです。

応募者対応や面接調整まで含む会社は月額30万〜80万円程度、母集団形成(原稿制作と媒体運用)に絞る会社は月額10万〜20万円程度。おおむねこの2つに分かれます。

選ぶときは「相場の真ん中はいくらか」ではなく、自社が本当に手放したい業務はどれかを先に決めることが重要です。面接や選考は自社でやるつもりなら、そこまで含む高い契約は不要です。

料金体系ごとの費用の出方や、月額以外にかかる費用(初期費用・媒体掲載費)については、採用代行の費用相場|料金体系別の目安と一人あたりの採用単価で詳しく整理しています。

自社の職種だと、いくらかかる?

採用コミットは、求人原稿の制作から媒体運用・週次レポートまでを担う月額定額の採用代行です。何人採用しても月額10万円〜・成果報酬0円。募集職種とエリアをお聞かせいただければ、必要な求人原稿の本数と費用の目安をその場でお伝えします。

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採用代行のメリット・デメリットと法的な位置づけ

導入を検討するうえで、良い面だけでなく注意点と法律上の扱いも押さえておいてください。

採用代行を使うメリット

1. 採用担当者を置かずに採用活動を回せる

専任の採用担当者を1人雇うと、年収400万円でも社会保険料を含めて年間460万円程度かかります。募集が常時あるわけではない中小企業にとって、この固定費は重い判断です。

採用代行なら、必要な期間だけ「社外の採用担当者」を置く形にできます。

2. 掲載後の改善が止まらない

求人媒体は掲載して終わりではありません。閲覧数・応募数を見ながら原稿や予算配分を調整して、初めて応募が積み上がります。

兼任の担当者ではここが後回しになりがちです。代行会社が入ると、この改善サイクルが業務として固定されます。

3. 採用コストの見通しが立つ

月額固定型であれば、採用人数が変動しても支出は変わりません。

人材紹介中心の採用では「何人採るか」が決まらないと予算が組めません。定額であれば年間の採用予算を先に確定できます。

4. 媒体ごとの勝ちパターンを持ち込める

Indeedと求人ボックス、ジョブメドレーでは、応募が集まる原稿の書き方も予算の入れ方も違います。

自社で1から検証すると数ヶ月かかる部分を、すでに運用している会社の型で短縮できます。

採用代行のデメリットと注意点

  • 社内にノウハウが残りにくい実務を外に出す以上、避けられません。週次・月次のレポートで「なぜその判断をしたか」まで共有してもらえる会社を選ぶと、ある程度は緩和できます。
  • 採用しない期間も費用が発生する(月額固定型)通年で募集がないなら、成果報酬型や従量課金型のほうが合う場合があります。
  • 自社の魅力が伝わりきらないことがある現場の情報が代行会社に届いていないと、原稿が一般的な内容になります。最初のヒアリングにどれだけ時間を割いてくれるかは判断材料になります。
  • 候補者情報を外部に預けることになる個人情報の取り扱いルールと、どの範囲まで代行会社が閲覧するかは契約前に確認してください。
  • 採用の成立は保証されない採用代行はあくまで業務の代行です。「必ず採用できる」と説明する会社には、その根拠を確認したほうがよいでしょう。

採用代行は違法ではないのか

「他社に募集を任せるのは職業安定法に触れないのか」という質問はよく受けます。

結論として、適切な区分と手続きの範囲で行われる採用代行は違法ではありません。ただし、依頼する業務の内容によって、必要な手続きが変わります。関係するのは主に次の2つです。

  • 委託募集(職業安定法第36条)自社の被用者以外の者に、自社の労働者募集そのものを行わせる形態です。報酬を支払って委託する場合は厚生労働大臣の許可が必要で、報酬を支払わない場合は届出が必要とされています。
  • 募集情報等提供事業求人情報や求職者情報を収集して提供する事業です。求職者に関する情報を収集して提供に用いる「特定募集情報等提供事業」は、令和4年10月1日から事前の届出が必須となりました(厚生労働省「募集情報等提供事業」)。

実務上は、求人原稿の制作や媒体運用といった「事務作業の代行」にとどまる場合、委託募集には当たらないと整理されることが一般的です。

一方で、代行会社が自社の名前で候補者と直接やり取りし、実質的に募集主体として振る舞う場合は、許可や届出が必要になり得ます。

検討中の会社がどの区分で業務を行っているか、必要な許可・届出を備えているかは、契約前に文書で確認しておくと安全です。判断に迷う場合は、所轄の都道府県労働局に相談することもできます。

メリットとデメリットを職種別のデータで確認したい場合は、採用代行のメリット・デメリット|効果が出る職種と出ない職種で整理しています。

採用代行の導入と、向き不向き

契約前に社内で決めておくこと、導入後に起きること、そして自社に向いているかどうかを見ていきます。

導入前に社内で準備しておくこと

採用代行の成果は、依頼したあとに渡せる情報の量でほぼ決まります。契約前に次の4つを社内で整理しておくと、立ち上がりが大きく変わります。

  • 採用したい人物像を言語化する「まじめな人」ではなく、必須条件と歓迎条件に分けて書き出します。「これがないと採用できない」条件は3つまでに絞ってください。条件が多いほど母数は減ります。
  • 社内の窓口を1人決める代行会社からの質問に答える人、原稿を確認する人を決めておきます。ここが曖昧だと、確認待ちで運用が止まります。工事部長や店長など現場を知る人が望ましいです。
  • 現場の情報を集めておく1日の流れ、実際の残業時間、既存社員の入社理由、辞めた人の理由。これらは代行会社が外から取得できない情報で、原稿の説得力に直結します。
  • 応募が来たときの動き方を決めておく誰が何時間以内に返信するか、面接の候補日をどう出すか。母集団形成までを任せる場合、ここが遅いと成果が出ません。

逆に、ここが整理できていない状態で契約すると、最初の1ヶ月がヒアリングだけで終わります。最低契約期間が3ヶ月なら、実質的な運用期間が2ヶ月に縮んでしまいます。

導入してからの3ヶ月で何が起きるか

契約後の進み方をイメージできていないと、「1ヶ月経っても採用できない」と不安になります。一般的な立ち上がりを整理します。

採用代行を導入してからの3ヶ月の流れ。1ヶ月目は立ち上げ、2ヶ月目は検証と修正、3ヶ月目は安定運用
導入してから3ヶ月で起きること
  • 1ヶ月目:立ち上げ要件のヒアリング、求人原稿の制作、媒体の設定と掲載開始。一般的に掲載までに2週間から1ヶ月程度かかるため、実際に応募が出るのは月の後半からです(採用コミットは最短3日で掲載を始めます)。この時点の応募数で判断してはいけません。
  • 2ヶ月目:検証と修正初月の数字を見て、原稿のタイトルや給与表記を直し、掲載費の配分を変えます。ここで応募数が動きます。採用代行の価値がもっとも出るのがこの月です。
  • 3ヶ月目:安定運用効く原稿と媒体の組み合わせが固まり、面接から採用まで進みます。1名あたりの採用単価が見え始め、次の職種に展開するかどうかを判断できる段階です。

最低契約期間が3ヶ月に設定されているのは、この「立ち上げ→検証→安定」を1周させる最低限の期間だからです。1ヶ月で判断できる仕事ではありません。

もちろん職種によっては初月から採用に至ることもありますし、専門職では3ヶ月でも足りないことがあります。

採用代行が向いている企業・向いていない企業

向いている向いていない
専任の採用担当者がいない、または兼任で手が回らない採用が年に1人あるかどうかで、通年の募集がない
求人を出しているが応募が集まらない求人媒体に母集団がいない職種(経営層、極めて希少な経験を持つ人材)
人材紹介の手数料が重く、採用予算を圧迫しているすでに社内に採用の専任チームがあり、運用が回っている
複数職種・複数拠点を並行して募集している候補者情報を一切社外に出せない事情がある

特に注意したいのが「向いていない」の2行目です。

採用代行は求人媒体上に母集団を作る手法なので、そもそも媒体に登録者がいない職種では成果が出ません。経営幹部やごく希少な専門職は、人材紹介やリファラル採用のほうが適しています。

誠実な代行会社であれば、この段階で「うちでは難しい」と伝えてくれるはずです。

同じ組織のなかでも職種によって向き不向きが分かれる例は、医療の採用代行(RPO)とは|任せられる範囲と職種別の使い分けで具体的に扱っています。

新卒採用と中途採用では使われ方が違う

採用代行は新卒・中途のどちらでも使われますが、任せる業務の中身は大きく異なります。

新卒採用中途採用
主な依頼内容説明会の運営、エントリー管理、面接日程の大量調整求人原稿の制作、媒体運用、スカウト送信
忙しくなる時期年度で固定(3〜6月に集中)通年。欠員が出たタイミング
成果が見えるまで内定まで数ヶ月〜半年1〜3ヶ月
費用の目安月10万〜70万円月10万〜80万円
中小企業との相性母集団形成が難しく、費用対効果が読みにくい媒体で母集団が作れれば効果が出やすい

中小企業の場合、まず中途採用で仕組みを作るほうが結果につながりやすい傾向があります。新卒は知名度の影響が大きく、母集団形成の難易度が上がるためです。

業種ごとの事情はさらに異なります。たとえば建設業であれば、建設業の求人に応募が来ない原因|3段階で切り分ける改善方法で、応募が止まる場所の見つけ方を業種特有の事情とあわせて解説しています。

採用代行を入れても成果が出ないケース

導入すれば必ず応募が増えるわけではありません。実務上、うまくいかない理由はおおむね次の4つに集約されます。

  1. 募集条件が市場とずれている同じエリア・同じ職種の他社より給与や休日が明確に劣っている場合、原稿をどう直しても応募は増えません。この場合に必要なのは代行ではなく条件の見直しで、それを最初に指摘してくれる会社かどうかが分かれ目です。
  2. 掲載費をかけていないIndeedのような検索型媒体は、無料掲載だと表示順位が上がりにくい構造です。運用代行の月額だけ払って広告費をゼロにすると、成果は出にくくなります。
  3. 応募後の対応が遅い応募から返信までが数日空くと、他社に決まってしまいます。母集団形成までを代行に任せる場合、自社側の一次返信の速さが成果を決めます。ここを社内で回せるかは、契約前に確認しておくべき点です。
  4. 情報が代行会社に渡っていない職場の雰囲気、実際の残業時間、既存社員の入社理由といった情報は、原稿の説得力に直結します。ヒアリングに社内が協力できないと、原稿は一般論になります。

裏を返せば、条件が市場並みで、掲載費を確保でき、応募に素早く対応できる体制がある企業なら、採用代行の効果は出やすいということです。

採用代行会社の選び方と、依頼の流れ

向いていると判断できたら、次は会社選びです。確認すべき点と、実際の進み方をまとめます。

失敗しない採用代行会社の選び方

  1. 業務範囲を4段階で確認する前述の「設計/母集団形成/応募者対応/選考・内定後」のどこまでが月額に含まれるかを、書面で確認します。口頭の説明だけで進めると、あとから追加費用の話になりがちです。
  2. 自社の職種の運用実績があるか医療・介護・保育・営業・現場職では、使う媒体も原稿の書き方も違います。同じ職種の運用経験があるかを聞いてください。
  3. レポートの中身を見せてもらう契約前にレポートのサンプルを見せてもらうと、その会社が数字をどう見ているかが分かります。閲覧数・応募数・応募単価まで出ているかが目安です。
  4. 掲載費が別か込みかを確認する多くの会社で媒体掲載費は別途です。月額だけで比較すると、総額を見誤ります。
  5. 最低契約期間と解約条件を確認する採用は立ち上がりに時間がかかるため、3ヶ月程度の最低期間が設けられることが多くなっています。それ以上に長い縛りや違約金がないかは確認しておきます。

導入の流れ

採用代行の導入の流れを5ステップで示した図。相談・提案・契約・原稿制作掲載・運用改善
採用代行 導入の流れ(5ステップ)
  1. 相談・ヒアリング募集職種、エリア、待遇、現在の応募状況を共有します。この時点で「媒体で母集団が作れるか」の見立てが出ます。
  2. 提案・見積もり必要な求人原稿の本数、使う媒体、掲載費の目安が提示されます。
  3. 契約・キックオフ採用要件を詰め、原稿の方向性をすり合わせます。現場の情報をどれだけ渡せるかが、この後の原稿の質を決めます。
  4. 原稿制作・掲載開始一般的には契約から2週間〜1ヶ月程度で掲載が始まります(採用コミットは最短3日)。
  5. 運用・改善週次で数字を見ながら原稿と予算を調整します。ここが止まると応募も止まります。

採用コミットの場合

参考までに、当社が提供している採用代行サービス「採用コミット」の設計を紹介します。

前述の4段階のうち①設計・②母集団形成に絞り、③応募者対応・④選考はお客さま側に残す形にしています。面接や採否の判断を外に出さないため、現場が求める人物像とのズレが起きにくいという考え方です。

  • 料金月額10万円〜の定額、成果報酬0円、採用人数の上限なし(税別・初期費用10万円・最低契約期間3ヶ月)
  • 担当領域採用要件の整理 → 求人原稿の制作 → Indeed・求人ボックス・エンゲージ・Airワーク・ジョブメドレー等への掲載 → 掲載後の運用改善 → 週次レポート
  • 対応地域全国(オンライン対応)

職種別の支援内容は、看護師の採用代行、介護職員の採用代行、保育士の採用代行、営業職の採用代行のページでそれぞれ説明しています。このほかの業種・職種は対応している業種・職種の一覧からご覧ください。料金の詳細は料金プランのページをご覧ください。

実際に運用した2件の数値

参考として、当社が実際に運用した案件の数値を掲載します。いずれも業務委託ポジションで、媒体掲載費を採用人数で割った金額です。

  • 営業職(未経験・業務委託)2ヶ月で117件の応募、5名採用。採用単価4万円、応募単価1,709円。
  • コーチング職(塾講師系・業務委託)4ヶ月で170件の応募、12名採用。採用単価3.3万円、応募単価2,352円。

いずれも求人媒体で母集団が作りやすい職種で、複数名をまとめて採用した案件です。採用単価は職種・地域・募集条件・時期により大きく変動し、同等の成果を保証するものではありません。資格職や専門職では、同じ手法でもここまで下がりません。

費用の考え方や、人材紹介・自社採用担当との年間コスト比較は、採用代行の費用相場|料金体系別の目安と一人あたりの採用単価で詳しく整理しています。

よくある質問

採用代行と人材紹介はどちらが安いですか?

採用人数によって変わります。年に1名だけなら人材紹介のほうが総額を抑えられる場合があります。

複数名を採用する場合は、月額定額の採用代行のほうが1名あたりの単価は下がります。人材紹介で1名あたり50万円以上かかる想定なら、その1名分の予算で採用代行を3〜4ヶ月運用できる計算になります。

応募者への対応も任せられますか?

会社によって異なります。応募者への一次返信や面接日程調整まで含む会社もあれば、母集団形成までに限定している会社もあります。

含むほど月額は上がるため、自社で対応できる範囲を先に決めてから見積もりを取ることをおすすめします。

どのくらいの期間で応募が集まりますか?

掲載開始までは、一般的に契約から2週間〜1ヶ月程度です(採用コミットは最短3日)。その後は媒体・職種・待遇・エリアによって大きく変わります。

掲載してすぐ応募が来る職種もあれば、原稿と予算配分の調整を数回重ねて立ち上がる職種もあります。初月から必ず採用できると説明する会社には、根拠を確認してください。

媒体の掲載費は料金に含まれますか?

多くの採用代行では別途負担となります。月額料金は運用代行の費用で、Indeed等への広告費は実費で発生するのが一般的です。

比較の際は「月額+掲載費」の総額で見てください。

小さな会社でも依頼できますか?

依頼できます。むしろ専任の採用担当者を置きにくい規模の企業ほど、採用代行の効果は出やすくなります。

ただし月額30万円以上の価格帯は中堅・大手向けの設計であることが多いため、規模に合った価格帯のサービスを選ぶことが重要です。

応募者の個人情報はどう扱われますか?

契約時に秘密保持契約(NDA)を結ぶのが一般的です。あわせて、代行会社が応募者情報のどこまでを閲覧するか、保管期間と廃棄の方法、再委託の有無を確認してください。

媒体の管理画面を代行会社が直接操作する場合、応募者の氏名・連絡先が見える状態になります。アカウントの権限をどう分けるかも、契約前に決めておくと安全です。

契約前に何を確認しておくべきですか?

金額よりも先に、次の5点を書面で確認してください。業務範囲/求人原稿の本数と追加時の単価/対応媒体と掲載費の扱い/最低契約期間と解約条件/レポートの頻度と項目です。

とくに「月額に何が含まれるか」が曖昧なまま契約すると、後から追加費用の話になります。

途中で解約できますか?

多くの会社で最低契約期間が設けられており、期間内の解約は残期間分の支払いが必要になる場合があります。3ヶ月程度が一般的です。

解約の申し出期限(前月中か、2ヶ月前か)と、違約金の有無は契約前に必ず確認してください。

自社で採用担当を雇うのと、どちらがよいですか?

採用が事業の中核で、常時大量に採用するなら自社に担当を置くほうが有利です。ノウハウも社内に残ります。

一方、年に数名の採用であれば、専任の人件費(年収400万円なら社会保険料を含めて年460万円程度)に対して稼働が少なすぎます。採用の波が読めないうちは、必要な期間だけ外に出すほうが費用を抑えられます。

まとめ:採用代行は「業務範囲」と「価格帯」で選ぶ

採用代行(RPO)は、採用業務の一部または全部を外部が代行するサービスです。人を紹介してもらう人材紹介とは、費用の発生の仕方から根本的に異なります。

比較するときに見るべき軸は2つに絞れます。「設計/母集団形成/応募者対応/選考」の4段階のうちどこまでを任せるか。そしてその範囲に対して価格帯が見合っているかです。

応募者対応まで含めれば月額30万〜80万円、母集団形成に絞れば10万〜20万円。相場の真ん中を探すのではなく、自社が手放したい業務から逆算してください。

そして、求人媒体に母集団が作れない職種では成果が出ません。ここを最初に見極めてくれる会社を選ぶことが、遠回りに見えていちばん確実です。

私たちが運営する採用コミットは、この4段階のうち①設計・②母集団形成に絞った採用代行です。求人原稿の制作からIndeed・求人ボックス・ジョブメドレー等の媒体運用、週次レポートまでを担い、面接と採否の判断はお客さまに残します。

料金は何人採用しても月額10万円〜・成果報酬0円・採用人数の上限なし。人材紹介で1名50万〜200万円かかっていた採用を、定額の予算内に収める設計です。

「うちの職種で、そもそも媒体から応募が取れるのか」という段階のご相談でも構いません。現在の募集条件を拝見したうえで、率直な見立てをお伝えします。

出典

本記事は株式会社Abey(採用代行サービス「採用コミット」運営)が制作しました。記載の統計値は上記出典の公表値をそのまま引用し、確認日を併記しています。料金の目安は各社の公開情報および当社の実務経験に基づく一般的なレンジであり、個別の契約条件により異なります。本記事は採用成立や特定の成果を保証するものではありません。

職種にかかわらず共通する「応募が来ない」原因の切り分け方は、採用が難しい理由と対策|求人を出しても応募が来ない原因の切り分け方で解説しています。自社がどの段階で止まっているのかを先に特定すると、代行を入れるべきかどうかの判断もしやすくなります。

この記事を書いた人

弓川堅士のアバター 弓川堅士 代表取締役

長崎大学卒業後、上場企業グループ会社の事業部長を経て、株式会社Abeyを創業。
月10万円からの採用業務代行サービス「採用コミット」を立ち上げ、主に中小企業の中途採用(正社員・業務委託採用)を母集団形成から支援。

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