採用が難しい理由と対策|求人を出しても応募が来ない原因の切り分け方

求人を出しているのに、応募が1件も来ない。以前は集まったのに、いまは反応がない。そう感じている経営者や採用担当の方は多いと思います。
「人手不足だから仕方ない」で済ませてしまうと、そこで打ち手が止まります。ですが公的なデータを見ると、話はもう少し複雑です。
採用の難しさは、職種によって20倍近い開きがあります。そして求人市場そのものは、この1年でわずかに緩んでいます。
この記事では、まず自社がどの位置にいるかを確かめたうえで、応募が来ない原因を3段階に切り分けて直していく方法を解説します。
この記事の要点
採用が難しいと感じても、原因は会社ごとに違います。有効求人倍率は建設躯体工事の7.35倍から一般事務の0.37倍まで約20倍の開きがあり、全職業平均は1.10倍です。
- 市場はむしろ緩んでいる令和7年度の平均は1.20倍で、前年度より下がっています。
- 3段階で切り分ける「見られていない」「見られたが選ばれない」「応募後に離脱される」のどこで止まっているか。
それでも応募が来ないなら、原因は市場ではなく自社の求人にあります。打ち手は切り分けたところから決まります。
「採用が難しい」は、会社によって意味がまったく違う
職種によって20倍の開きがある
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」には、職業別の有効求人倍率が掲載されています。

もっとも高いのは建設躯体工事の7.35倍。求職者1人に対して7件以上の求人があります。土木作業5.96倍、保安6.22倍と、この層は明らかに売り手市場です。
一方で、一般事務は0.37倍。求人1件に対して求職者が3人近くいる計算です。事務用機器操作員は0.30倍とさらに低くなっています。
その差は約20倍です。「採用が難しい」という言葉は、この20倍の幅のどこにいるかで、まったく別の話になります。
もし事務職を募集していて応募が来ないなら、それは人手不足のせいではありません。求職者はいます。届いていないか、選ばれていないかのどちらかです。
市場は、この1年でむしろ少し緩んでいる

令和7年度平均の有効求人倍率は1.20倍で、前年度の1.25倍を0.05ポイント下回りました。令和7年度の有効求人は、前年度と比べて4.1%減っています。
さらに、正社員に限った有効求人倍率は0.99倍(令和8年3月)。1倍を下回っています。正社員を探している人の数のほうが、正社員求人より多い状態です。
つまり、この1年で見れば採用環境はわずかに緩んでいます。「年々厳しくなっている」という体感とは、数字の上ではずれています。
それでも企業の不足感は強い
一方、企業側の実感を聞いた調査では別の結果が出ています。厚生労働省の「労働経済動向調査(令和8年5月)」によると、正社員等労働者過不足判断D.I.は+47ポイントでした。
これは「不足」と答えた事業所が49%、「過剰」が2%という数字です。約半数の事業所が人手不足を感じています。
ただし産業別に見ると、ここにも大きな差があります。建設業は+59、医療・福祉は+57、運輸業・郵便業は+55。対して卸売業・小売業は+31、金融業・保険業は+32です。
求人の総数は減っているのに、不足感は強い。この一見矛盾した状況が意味するのは、人手不足が特定の職種と業種に偏っているということです。
まず、自社がどちら側かを確かめる
ここまでの数字から言えるのは、「採用が難しい」を市場のせいにしている限り、打ち手は出てこないということです。
まず次の2つを確認してください。
- 募集している職種の有効求人倍率はどのくらいか上のグラフで自社の職種を探してください。2倍を超えているなら、構造的に採りにくい職種です。1倍を下回っているなら、求職者は十分にいます。
- 同じ商圏の同業他社は、どんな条件で募集しているかIndeedやハローワークインターネットサービスで、自社の最寄り駅・市区町村と職種名で検索してください。10件ほど開けば、自社の位置が分かります。
この2つが分かると、「そもそも母数が少ない職種なのか」「母数はあるのに選ばれていないのか」が切り分けられます。打ち手はここから変わります。
職種別の事情は、建設業の求人に応募が来ない原因|3段階で切り分ける改善方法などそれぞれの記事で詳しく解説しています。
応募が来ない原因は、3段階に切り分けられる
「求人を出しても来ない」という状態は、実際には3つのまったく違う問題のどれかです。混ぜて考えている限り、直しようがありません。

判断に使う数字は3つだけです。表示回数(インプレッション)、詳細ページの閲覧数(クリック)、応募数。IndeedやAirワーク、エンゲージなどの管理画面で確認できます。
この数値を見ながら出稿設定と予算配分を調整する範囲はIndeedの運用代行にまとめています。
| 数字の状態 | 止まっている段階 | 直す場所 |
|---|---|---|
| 表示回数がそもそも少ない | ①見られていない | 媒体・職種名・掲載費 |
| 表示はあるがクリックが少ない | ①〜②の境目 | 職種名・給与表記・写真 |
| クリックはあるが応募が0 | ②選ばれていない | 求人原稿の中身 |
| 応募はあるが面接に至らない | ③応募後の離脱 | 返信速度・日程調整 |
| 面接はするが採用に至らない | ③選考のミスマッチ | 募集条件・ターゲット設定 |
この表で自社がどこにいるかを決めてから、次の章へ進んでください。全部を同時に直そうとすると、何が効いたのか分からなくなります。
【段階1】そもそも求人が見られていない
表示回数が少ない場合、原稿をどれだけ磨いても意味がありません。まず露出を作る必要があります。
- 職種名に検索される言葉が入っていない求職者は「営業 〇〇市」「事務 パート 〇〇駅」のように、職種+地域+条件で検索します。職種名が「スタッフ募集」「総合職」では、この検索に一切引っかかりません。
- 勤務地の書き方が粗い「本社」「当社営業所」だけでは、地域名で探している人に届きません。市区町村名と最寄り駅名の両方を書いてください。
- 無料掲載のまま放置しているIndeedや求人ボックスは無料でも掲載できますが、有料出稿の求人が上位に表示されます。無料枠だけで戦うと、表示回数は伸びません。
- 掲載日が古い多くの媒体は新しい求人を優先して表示します。月に一度は内容を見直して更新してください。それだけで露出が戻ることがあります。
- そもそも媒体が合っていない若手を採りたいのにハローワークだけ、地域のパートを採りたいのに全国系の転職サイトだけ、という状態はよくあります。
とくに職種名は、直した効果がもっとも早く出る項目です。「営業スタッフ」を「法人営業(未経験可・反響中心)/〇〇駅 徒歩5分」に変えるだけで、表示回数が動きます。
【段階2】見られているのに応募がない
表示もクリックもあるのに応募が0。この場合、原因は求人原稿の中身です。求職者は開いて、読んで、応募しないと判断しています。
給与の書き方が不利になっている
「月給25万円〜」とだけ書かれた求人は、求職者から「25万円しかもらえない求人」として扱われます。上限を書いていないからです。
実際には経験次第で35万円まで出せるなら、「月給25〜38万円」と書いてください。検索の絞り込みにも影響します。多くの媒体で求職者は給与の下限で絞り込むため、下限が低すぎると絞り込みから外れることもあります。
賞与、昇給、各種手当、前職給与の考慮。書けるものは全部書いてください。求職者は複数の求人を並べて比較しています。
仕事内容が抽象的すぎる
「営業業務全般」「一般事務」「製造業務」。この書き方では、入社後に何をするのかがまったく分かりません。
求職者がもっとも知りたいのは「自分がその仕事をやれるか」「やりたいか」です。1日の流れ、担当する範囲、既存と新規の比率、使うツール。ここを書くと応募のハードルが下がります。
とくに効くのが「やらなくていいこと」を書くことです。「テレアポのノルマはありません」「残業は月平均5時間です」「転勤はありません」。不安を先に消すほうが、魅力を並べるより応募につながります。
「アットホーム」を具体に置き換える
| よく書かれる表現 | 置き換える情報 |
|---|---|
| アットホームな職場です | 社員数/部署の人数/年齢層/平均勤続年数 |
| 働きやすい環境です | 年間休日日数/有給取得率/月平均残業時間 |
| 未経験歓迎 | 未経験入社の人数/研修期間/最初の3ヶ月の業務 |
| 成長できます | 資格取得支援の内容/研修費用の負担額/昇給の実績 |
| 頑張りを評価します | 評価制度の仕組み/昇給幅/賞与の実績月数 |
| 風通しの良い社風 | 意思決定の早さが分かる具体例/社長との距離感 |
左側の言葉は、どの会社の求人にも書いてあります。全社が同じことを書いているので、比較の材料になりません。
右側の情報は、会社ごとに必ず違います。数字と事実に置き換えたぶんだけ、候補として残ります。
写真がない、または外観だけ
写真の有無で、クリック率も応募率も変わります。ただし、建物の外観写真だけでは伝わりません。
撮るべきなのは実際に働く場所と、そこにいる人です。オフィス、作業スペース、使用する機械や設備、休憩室、朝礼の様子。スマートフォンで撮ったもので構いません。
求人原稿を、実例で比べる

左と右で、給与も休日も何ひとつ変えていません。会社がすでに持っている情報を、書いたか書いていないかの違いだけです。
とくに効くのは「1日の訪問は3〜4件」「テレアポのノルマはありません」「平均勤続4年3ヶ月」といった検証できる事実です。求職者は、ここで働いたときの1日を想像できるようになります。
逆に、条件を良く見せようとして事実と違うことを書くと、面接や入社後に必ず露見します。短期離職につながり、採用費用が無駄になります。
応募前に会社を調べられている前提で用意する
求人を見て興味を持った人は、応募ボタンを押す前に会社名で検索します。ここで何も出てこない、あるいは古い情報しか出てこないと、そこで離脱されます。
エンゲージやAirワークを使えば、採用ページは無料で作れます。凝ったデザインは不要です。次の情報が載っているかどうかで判断されます。
- 会社の基本情報所在地、設立年、社員数、事業内容。求職者は「実在する会社か」「規模はどのくらいか」をまず確認します。
- 働いている人の様子職場の写真、社員のコメント、1日のスケジュール。人が写っている情報は、条件表よりも強く記憶に残ります。
- 入社後の流れ研修期間、最初に任される仕事、フォロー体制。未経験者を採りたい場合はとくに重要です。
- 募集職種の一覧複数の職種を募集しているなら、まとめて見せます。応募者が別の職種に興味を持つこともあります。
- 応募方法と連絡先電話とメール、可能ならフォーム。応募方法が電話だけだと、在職中の人は連絡できません。
採用ページはIndeedなどへ連携でき、掲載面を増やす効果もあります。費用をかけずにできる打ち手として、優先順位は高い部類です。
あわせて、Googleビジネスプロフィールの情報も確認してください。求職者は会社名で検索したときに、この情報を最初に目にします。
採用ページでは、会社概要や募集要項だけでなく、企業の魅力や働く環境を求職者に伝えることも重要です。採用サイトのコンテンツや情報設計、採用ブランディングの進め方については、採用ブランディングに効く採用サイトの作り方も参考になります。
求人原稿を直しても応募が来ないときは
採用コミットは、求人原稿の制作からIndeed・求人ボックス等の媒体運用・週次レポートまでを担う月額定額の採用代行です。何人採用しても月額10万円〜・成果報酬0円。いまの求人と募集条件を拝見して、3段階のどこで止まっているかを率直にお伝えします。
【段階3】応募はあるのに採用に至らない
応募数は取れているのに面接に至らない、あるいは面接しても決まらない。この場合、求人原稿を直しても改善しません。
- 返信が遅い求職者は同時に複数社へ応募しています。翌日以降の返信では、先に返事をくれた会社に決まっています。当日中の一次返信が基準です。担当者が不在でも返せるよう、定型文を用意しておいてください。
- 面接日程の選択肢が少ない「平日9時〜17時のみ」では、在職中の人は応募できません。土曜、早朝、19時以降、オンライン面接。ひとつでも増やすと通過率が変わります。
- 応募から面接までが遠い書類選考に1週間、そこから日程調整に1週間では間に合いません。可能なら書類選考を省き、まず会う形にしてください。
- 面接で条件が求人と違う求人票と違う勤務地や給与を面接で伝えると、その場で辞退されます。書いた条件は守ってください。
- 求める人物像が高すぎる「経験5年以上・要普通免許・PCスキル必須・35歳以下」のように条件を重ねると、該当者はほぼいなくなります。必須条件と歓迎条件を分けてください。
なお、募集や採用にあたって年齢を理由に対象を限定することは、労働施策総合推進法により原則として禁止されています。求人票に年齢制限を書く場合は、例外事由に該当するかを必ず確認してください。
面接で聞くべきこと・聞いてはいけないこと
採用に慣れていない会社ほど、面接が世間話になりがちです。ここには守るべきルールがあります。
厚生労働省の「公正な採用選考の基本」は、適性と能力に関係のない事項を応募書類に書かせたり、面接で尋ねたりすることは就職差別につながるおそれがあるとしています。
尋ねてはいけない事項
- 本人に責任のない事項本籍・出生地、家族に関すること(職業・続柄・健康・病歴・地位・学歴・収入・資産など)、住宅状況(間取り・部屋数・住宅の種類など)、生活環境・家庭環境。
- 本来自由であるべき事項宗教、支持政党、人生観・生活信条など。
面接でよく起きるのが、「ご結婚の予定は」「お子さんは何歳ですか」「ご家族はどんなお仕事を」といった質問です。悪意はなく、勤務の見通しを知りたくて聞いてしまうケースがほとんどです。
知りたいのが勤務条件なら、そのまま条件を聞けば足ります。「勤務可能な曜日と時間帯を教えてください」「転勤の可能性がありますが対応できますか」。これなら適性と能力の確認であり、相手も答えやすくなります。
同資料は、あらかじめ質問項目と評価基準を決めておくことも求めています。面接シートを1枚作っておけば、その場の思いつきで聞いてしまう事故を防げます。
聞いておいたほうがよいこと
- これまでの担当業務と、その範囲職種名が同じでも、会社によって業務内容はまったく違います。ここのズレが入社後のミスマッチになります。
- 働き方の希望と、譲れない条件勤務日数、時間帯、通勤手段、転勤の可否。曖昧なまま採用すると、数ヶ月で辞めることになります。
- 前職を辞めた理由責める文脈ではなく、自社で同じことが起きないかを確認するために聞きます。
- 入社後にやってみたいこと本人の期待と、会社が任せられる仕事が合っているかを確認できます。
そして面接は、会社が選ぶ場であると同時に、応募者が会社を選ぶ場です。職場を案内し、一緒に働くメンバーを紹介し、こちらから情報を出す時間を必ず取ってください。
製造業は、同じ社内でも工程によって難易度が約4.7倍ちがいます。自社の工程がどちら側かを見極めるところから始めてください。製造業の求人に応募が来ない原因|求人倍率の差と求人票の直し方で解説しています。
応募者そのものを増やす方法
3段階の詰まりを直したうえで、母数を増やす手を打ちます。費用がかからず効果が出やすい順に並べます。
応募者を増やす7つの方法
ここまでの切り分けを踏まえたうえで、応募の母数そのものを増やす方法を整理します。上から順に、費用がかからず効果が出やすい順です。
- 職種名を書き直す職種+対象+勤務地。「事務スタッフ」を「一般事務(未経験可・残業ほぼなし)/〇〇駅 徒歩5分」へ。費用は0円で、表示回数がもっとも動きます。
- 雇用形態ごとに求人を分ける正社員とパートを1本の求人にまとめると、どちらの検索でも中途半端になります。分けたほうが両方で上位に出ます。
- 時短・短時間の枠を作るフルタイムしか用意していないと、育児中・介護中・シニア層が丸ごと候補から外れます。週3日、1日5時間の枠を作るだけで母数が変わります。
- 未経験可の枠を作る経験者に絞ると母数は一気に減ります。教育の負担は増えますが、採れない状態が続くよりは前に進みます。研修内容を求人票に書いてください。
- 無料媒体を全部押さえるハローワーク、Indeed、求人ボックス、エンゲージ、Airワーク。無料で出せるものは全部出しておきます。掲載面が増えれば接触機会が増えます。
- 採用サイト(自社の求人ページ)を作るエンゲージやAirワークなら無料で作れます。Indeedなどへ連携でき、応募前に会社を調べた人の受け皿にもなります。
- 有料出稿を試すここまでを整えてから投じます。原稿が整っていない状態で掲載費を増やしても、費用対効果は上がりません。
順番が重要です。7番から始める会社が非常に多いのですが、それは1〜6を整えたあとの手段です。
採用ターゲットを広げる4つの方向
ここまでを整えても応募が足りない場合、次に検討するのは「誰を採るか」の見直しです。同じ条件で待ち続けるより、対象を広げるほうが早く埋まります。
① 勤務時間を短くする
フルタイム・週5日しか用意していない会社は、育児中・介護中・治療中の層を丸ごと候補から外しています。この層には、能力があるのに働けていない人が多く含まれます。
週3日、1日5時間、15時まで。正社員1名を待つより、時短2名のほうが早く体制が整うケースは珍しくありません。時短枠は必ず別の求人として出してください。
② 未経験を受け入れる
経験者に絞ると、母数は数分の1になります。とくに有効求人倍率が2倍を超える職種では、経験者はすでに他社で働いていて動きません。
受け入れるなら、教育の担当者と期間を先に決めてください。「最初の3ヶ月は先輩が同行します」「4ヶ月目から独り立ちです」と書けると、応募のハードルが下がります。
③ 年齢層を広げる
60代以降でも働きたい人は多く、経験も豊富です。体力を要する業務は分担を工夫し、判断や折衝が必要な業務を任せる形なら、十分に戦力になります。
なお前述のとおり、求人票に年齢の上限を設けることは原則として認められていません。そもそも上限を書かないほうが、応募の母数は広がります。
④ 通勤の条件を見直す
求職者は通勤時間で候補を絞ります。マイカー通勤の可否、駐車場の有無、交通費の支給上限。ここが書かれていないだけで対象から外れることがあります。
事務職や企画職など、業務によっては週1〜2日の在宅勤務を認めるだけで、通勤圏の外まで対象を広げられます。採れない状態が続くなら、検討する価値があります。
4つとも、給与を上げずに母数を増やす方法です。条件の引き上げが難しい中小企業ほど、ここで差がつきます。
営業職はさらに事情が異なります。有効求人倍率2.14倍と採りにくいうえに、求人がどれも同じに見えるため比較の土俵に乗れていません。営業の採用が難しい理由|応募が来ない求人票の共通点と書き方で解説しています。
求人をどこに出し、いくらかかるか
無料で押さえられる媒体から順に整え、そのうえで有料出稿を検討するのが基本の順番です。
媒体はどう選ぶか
| 媒体 | 掲載費 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| ハローワーク | 無料 | 地元志向・パート・シニア層。まず出しておく |
| Indeed | 無料掲載可/有料出稿で露出増 | 母数が最大。ほぼ全職種で機能する |
| 求人ボックス | 無料掲載可/有料出稿あり | Indeedと併用し、クリック単価を比較して配分 |
| エンゲージ・Airワーク | 無料 | 採用サイトを無料で作り、Indeed等へ連携 |
| 職種特化の求人サイト | 有料または成功報酬 | 資格職・専門職。母集団は絞られるが精度が高い |
| 大手転職サイト | 数十万円〜の掲載課金 | 正社員の中途採用。掲載枠と原稿の質で差が出る |
| 人材紹介 | 成功報酬(理論年収の30〜35%が目安) | 採用が決まるまで費用は出ない。単価は最も高い |
中小企業がまず押さえるべきは、ハローワーク+Indeed+求人ボックス+無料の採用サイトの組み合わせです。ここまでは費用をかけずに構築できます。
そのうえで応募が足りなければ、有料出稿を段階的に足していきます。いきなり大手転職サイトに数十万円を投じるのは、順番として後です。
採用にいくらかかるか
| 手段 | 1名あたりの費用目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| ハローワーク・無料媒体 | 0円 | 掲載費はかからないが、露出は限られる |
| Indeed・求人ボックス(有料出稿) | 数万〜数十万円 | 原稿の精度と出稿額で大きく変動する |
| 職種特化サイト | 数十万円 | 専門職に届く。成功報酬型が中心 |
| 大手転職サイト | 数十万〜100万円超 | 掲載課金のため、採用0でも費用は発生する |
| 人材紹介 | 年収の30〜35% | 年収400万円なら120〜140万円。決まるまで0円 |
重要なのは、採用単価(採用1名にかかった総額)を必ず記録しておくことです。掲載費だけでなく、担当者が使った時間も含めて考えます。
人材紹介は決まるまで費用が出ない点で安心感がありますが、複数名を採用すると総額が跳ね上がります。年に1〜2名なら紹介、継続的に採用するなら自社募集の体制を作るほうが総額は下がります。
費用の考え方は採用代行の費用相場|料金体系別の目安と一人あたりの採用単価で詳しく整理しています。
直したあとの効果測定と、採用できないときの見直し
改善したら数字で確かめます。あわせて、採用した人に辞められないための設計と、それでも採れない場合の切り分けも見ておいてください。
直したあと、何を見て判断するか
求人を直したあと、感覚で判断すると打ち手が続きません。次の数字を毎週見てください。
| 見る数字 | 読み取ること | 目安 |
|---|---|---|
| 表示回数 | 露出が足りているか | 前週比で動いているか |
| クリック率 | 職種名・給与表記が効いているか | 下がったら職種名を戻す |
| 応募数 | 原稿が刺さっているか | 週1件を最初の目標に |
| 応募→面接設定率 | 返信速度と日程調整 | 5割を下回るなら社内の対応 |
| 面接→内定率 | 募集条件とターゲット設定 | 低いなら条件の見直し |
| 採用単価 | 費用対効果 | 手段ごとに比較する |
変更は1回につき1か所にしてください。職種名と給与と写真を同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。
判断の期間は2週間を目安にします。それより短いと媒体側の表示が安定せず、長すぎると機会損失になります。
募集開始から入社までのスケジュール
「来月から人が足りない」という段階で募集を始めても、間に合いません。逆算しておく必要があります。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 入社の4ヶ月前 | 商圏内の他社条件を確認。募集条件(給与・休日・時短枠の有無)を決める |
| 3ヶ月前 | 求人原稿を作成。職場写真の撮影。採用ページを整える。媒体を決めて掲載開始 |
| 2〜3ヶ月前 | 応募対応・面接。2週間ごとに数字を見て、職種名と原稿を1か所ずつ直す |
| 1.5〜2ヶ月前 | 内定。在職中の人は退職に1〜2ヶ月かかる前提で調整する |
| 入社後1ヶ月 | 教育担当をつける期間。1ヶ月目の面談を最初から日程に入れておく |
ポイントは「応募が来なかった場合の見直し期間」を最初から見込んでおくことです。1本目の原稿で十分な応募が集まることは多くありません。
また、在職中の求職者は退職までに1〜2ヶ月かかります。内定から入社までの空白を見込まずに組むと、結局その期間を埋められません。
逆に、急ぎで人が必要なら、パート・アルバイト枠や短時間勤務での募集を並行させるほうが現実的です。正社員1名を待ち続けるより、早く体制が整うことがあります。
採用した人に辞められないために
採用が難しい状況では、1人辞めることの損失が採用1人分より大きくなります。採用と同時に、辞めない設計を考える必要があります。
厚生労働省の「令和6年雇用動向調査」では、転職した人が前職を辞めた理由が集計されています(定年・契約期間の満了、会社都合を除く個人的理由)。
| 前職を辞めた理由 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 給料等収入が少なかった | 10.1% | 8.3% |
| 職場の人間関係が好ましくなかった | 9.0% | 11.7% |
| 労働時間、休日等の労働条件が悪かった | 8.6% | 12.8% |
| 会社の将来が不安だった | 7.4% | 5.1% |
| 仕事の内容に興味を持てなかった | 4.4% | 3.6% |
| 能力・個性・資格を生かせなかった | 3.8% | 3.7% |
上位3つは給料・人間関係・労働条件です。とくに女性では労働時間・休日の条件が12.8%と最も高く、人間関係が11.7%で続きます。
この3つは、いずれも入社前に伝えられる情報でもあります。求人票に正確に書いておけば、辞める理由になりにくくなります。
- 給与は入社後の見通しまで伝える昇給の実績、賞与の実績月数、評価の仕組み。入社時の金額だけでなく、3年後の姿が見えると納得感が変わります。
- 労働時間と休日は事実を書く実際の残業時間、有給の取得実績、繁忙期の状況。良く見せて入社してもらっても、続きません。
- 入社後1ヶ月のフォローを決めておく誰が教えるか、いつ面談するか。少人数の会社ほど、放置されたと感じさせない設計が効きます。
- 辞める前に相談してもらえる関係を作る結婚・出産・介護・転居。事情が変わったときに時短やパートへの切り替えを選べると、離職を防げます。
それでも採用できない場合の3つの原因
- 給与や休日が商圏内で明確に下位にあるこの場合、原稿では埋まりません。必要なのは条件の見直しです。同じ商圏の10件と並べて、自社が下から数えたほうが早いなら、まずそこを判断してください。
- 採用したい人物像が現実と合っていない「経験者で、若くて、長く働いてくれる人」を待ち続けると、何年でも採れません。必須条件を1〜2個に絞り、残りは歓迎条件に落としてください。
- 社内に採用を回す時間がない求人を出したまま数ヶ月放置、応募への返信が数日後、面接日程が組めない。この状態では、どんな原稿でも成果は出ません。これは求人の問題ではなく体制の問題です。
なお、事務系の職種は事情が逆になります。経理は求職者のほうが多いにもかかわらず決まらない職種で、原因は母数ではなくレベルのミスマッチです。詳しくは経理の採用が難しい理由|応募は来るのに決まらない原因と対策をご覧ください。
自社で回せないときは、採用代行という選択肢がある
ここまでの内容は、すべて自社で実行できます。ただし、本業をやりながら毎週数字を見て原稿を直し続けるのは、専任者のいない会社にとって現実的ではありません。
採用代行(RPO)は、この「原稿を作り、掲載し、数字を見て直し続ける」部分を外に出すサービスです。
- 向いているケース採用の専任者がいない。社長や現場責任者が片手間で求人を見ている。継続的に採用する必要がある。人材紹介の手数料が重くなっている。
- 向いていないケース給与や休日が商圏内で明確に下位にある(条件の見直しが先)。年に1名採用するかどうか(月額の固定費が割高になる)。応募者への返信を社内で回せない(母集団形成型の代行では、応募後の対応は自社に残ります)。
採用代行の業務範囲、人材紹介との違い、会社の選び方は採用代行(RPO)とは?業務内容と費用相場、人材紹介との違いで整理しています。
よくある質問
求人を出してから、どのくらいで応募が来ますか?
職種と条件によりますが、掲載してから1〜2週間は表示が安定しません。判断はそこから2週間、合計で1ヶ月をひとつの区切りにしてください。
2週間まったく表示が伸びない場合は、職種名と勤務地の書き方を先に見直します。表示はあるのに応募が0なら、原稿の中身の問題です。
給与を上げないと採用できませんか?
必ずしもそうではありません。同じ商圏の他社と比べて中位以上なら、書き方の改善で動く余地が十分にあります。
ただし明確に下位にある場合は、原稿では埋まりません。給与以外に、休日日数、残業の少なさ、通勤のしやすさなど、勝てる項目を探して前面に出す方法もあります。
ハローワークだけでは採用できませんか?
職種によっては十分に機能します。地元志向の求職者、パート、シニア層には届きやすい媒体です。
一方で、在職中の転職希望者はハローワークを見ていないことが多くあります。無料で出せる媒体は全部押さえておくのが基本です。
未経験者を採用しても大丈夫でしょうか?
経験者に絞ると母数が大きく減ります。採れない状態が続くくらいなら、未経験の枠を作るほうが前に進みます。
ただし教育の担当と期間を決めてから募集してください。入社後に放置されると早期離職になり、採用費用が無駄になります。研修内容を求人票に書けば、応募も増えます。
求人票に年齢や性別の条件を書けますか?
原則として書けません。年齢制限は労働施策総合推進法により、性別を理由とする差別的取扱いは男女雇用機会均等法により、それぞれ原則禁止とされています。
いずれも限られた例外事由がありますが、該当するかどうかはハローワークや社会保険労務士に確認してください。媒体側の審査で掲載できないこともあります。
採用代行に頼むと、いくらかかりますか?
料金体系は大きく月額固定型・従量課金型・成功報酬型に分かれます。業務範囲によって幅が大きいため、見積もりでは「どこまでを担当するか」を必ず確認してください。
当社の採用コミットは初期費用10万円・月額10万円〜、成果報酬0円、採用人数の上限なしです(税別・最低契約期間3ヶ月)。詳しくは料金ページをご覧ください。
まとめ:市場のせいにした瞬間、打ち手はなくなる
採用が難しいのは事実です。ただし、それは全社に同じように起きているわけではありません。
有効求人倍率は建設躯体工事の7.35倍から一般事務の0.37倍まで、約20倍の開きがあります。全職業平均は1.10倍で、令和7年度平均は1.20倍と前年度より下がっています。正社員に限れば0.99倍です。
市場はむしろ少し緩んでいます。それでも応募が来ないなら、原因は自社の求人にあります。
やることは決まっています。表示回数・クリック・応募数の3つを見て、どこで止まっているかを切り分ける。職種名に検索される言葉を入れる。抽象的な言葉を数字と事実に置き換える。そして応募が来たら、その日のうちに返信する。
私たちが運営する採用コミットは、この「原稿を作って、掲載して、数字を見て直し続ける」部分を引き受ける月額定額の採用代行です。料金は初期費用10万円・月額10万円〜、成果報酬0円、採用人数の上限なし(税別・最低契約期間3ヶ月)。面接と採否の判断はお客様側に残ります。
職種ごとに「いくらかかるか」を先に押さえておくと、どこに予算を配分すべきかが決まります。17職種の相場は採用単価とは?計算方法と職種別の相場、平均の見方に一覧化しています。
ただし、給与や休日が商圏内で明確に下位にある場合は、代行を入れても応募は増えません。そのときは「まず条件を見直したほうがよい」と正直にお伝えします。いまの求人を見せていただければ、3段階のどこで止まっているのかだけでも判断できます。
出典
- 厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_72811.html)確認日 2026年9月9日。職業別の有効求人倍率は同発表の参考統計表(常用・パート含む、令和8年3月)による
- 厚生労働省「労働経済動向調査(令和8年5月)の概況」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2605/)確認日 2026年9月9日
- 厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概要」(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/25-2/index.html)確認日 2026年9月9日。前職を辞めた理由は同調査「表5 転職入職者が前職を辞めた理由別割合」による
本記事は株式会社Abey(採用代行サービス「採用コミット」運営)が制作しました。統計値は上記出典の公表値をそのまま引用し、確認日を併記しています。求人票の改善に関する記述は当社の実務経験に基づくもので、応募数の増加や採用成立を保証するものではありません。法令の適用については、個別の事案ごとにハローワーク・労働局・社会保険労務士等にご確認ください。
